ソニーのグループ企業として、法人向けICTソリューション事業を牽引するソニービズネットワークス(以下、SBN)。その急成長の裏側で、プロダクトの「品質と進化」を技術的な側面から支えているのが、開発本部内に設置されているユーザー技術サポート部です。なぜサポート組織が開発本部の中にあるのか。メンバーはどのような景色を見ているのか。
今回は、「技術」と「企画」の架け橋として組織を率いる部長の川上にインタビュー。SBNでしか成し得ない「攻めのサポート」について詳しく話を聞きました。
ソニー製品の「物理的な修理」から、サービス全体の「仕組み作り」へ
——まずは川上さんの経歴から教えてください。
学生時代からソニー製品が好きだったこともあり、ソニーのグループ会社に入社しました。法人向け製品の修理や交換を行うフィールドエンジニアとしてキャリアをスタートしました。当時はソニーのモニターやビデオ会議システムといった「物理的なプロダクト」の保守に直接携わっていました。
——現在のユーザー技術サポート部へ異動された経緯を教えてください。
入社3年目に部署異動しました。業界的にもプロダクト単体だけでなくITやネットワークの知識が必要になってきた時期です。
異動した当初はギャップもあり……、現場では自分が直接手を動かしていましたが、ここでは「現場をコントロールする側」としての立ち回りが求められたからです。最初は不安もありましたが、日々のコミュニケーションを積み重ねることで、今のスタイルを築いてきました。
——マネジメント側になっても、技術へのこだわりは変わらないのですか?
昨年4月に部長になりましたが、今もプレイングマネージャーとして各サービスのサポート業務の一部を自ら担当しています。現場の感覚を忘れないことは、組織をマネジメントする上でも、開発側と調整を行う上でも不可欠だと考えているからです。
「会社の顔」として、品質を設計する。
ユーザー技術サポート部のミッション

——「ユーザー技術サポート部」の役割について教えてください。
私たちのミッションは、ご契約いただいたお客様のトラブルを解決し、サービスの利用体験を最大化することです。SBNの中でお客様と直接の接点を持つ部署は限られています。だからこそ、私たちは「会社の顔」としての責任がある。なくてはならない組織だと自負しています。
——単なる「問い合わせ窓口」以上の重要性を感じますね。
その通りです。私たちの役割は、単にお客様の困りごとを解決する窓口ではありません。お客様の声を聞いて分析し、それをサービスの品質向上へ繋げる。プロダクトの品質を技術的な側面から設計・改善していくこと。それこそが私たちの存在意義だと思っています。
——今後の部署としてのビジョンはありますか?
もっと私たちが技術的にサポートできる領域をさらに拡大していきたいと考えています。これまではお客様からのご相談に応える形が中心でしたが、これからは一歩踏み込んで、「こちらから新しい活用方法や改善施策を提案できる組織」へと進化させていきたい。それが、今の私が描いているビジョンです。
役割分担の徹底がもたらす価値。サポート企画が担うプロダクト開発への深いコミットメント

——具体的な業務内容についても教えてください。
私たちの組織は、お客様への迅速なレスポンスと高度な技術支援を両立させるため、役割分担を明確にしています。大きく分けると、新規サービス立ち上げ時の「サポート体制の構築」と既存サービスの「運用改善」の二本柱です。
——新規サービス立ち上げ時にはどのような動きをされるのですか?
新サービスが立ち上がる際は、開発の初期段階からプロジェクトに参画します。具体的には、サポートの仕様を決め、お客様向けの業務フローを構築し、オンラインマニュアルやFAQなどの技術ドキュメントを作成します。
——企画職に近い立ち回りですね。
はい。「この機能はお客様にとって使いにくいのではないか」「このインターフェースではサポートの現場で混乱が起きる」といった意見を、開発や企画と肩を並べて議論を戦わせる。リリース直前になってから「マニュアルを作ってください」と頼まれるような受け身の立場ではなく、「どうすればサポートしやすく、使いやすいサービスになるか」を設計する段階からプロジェクトの根幹に関わっています。
——「既存サービスの改善」について。現場で吸い上げた「顧客の声(VOC)」はどのようなプロセスで開発側へ届けられるのでしょうか。
まず、対応を完了したお客様へのアンケートや日々の問い合わせ履歴を分析します。ですが、お客様の声は時に断片的なものです。そこで、サポートメンバーが集まる定例会で、それらの声を「根本的な問題は何か」という視点で精査し、改善の優先順位を決めます。
——その後、具体的にどのように開発側へ繋いでいくのですか?
特長的なのは2つのチケット管理システムの使い分けです。まずお客様のご要望を「サポート側の管理システム」に起票し、それを開発側が使う「開発用チケット」へ転記して紐づけます。これにより、開発側での進捗をサポート側で常に把握でき、修正が完了すればサポートチケットへも反映される仕組みです。
——解決までサポート側で進捗の管理を行っているのですね。
はい。特にお客様への影響が大きいものに関しては、開発や企画に掛け合い、優先度を上げて開発してもらうよう依頼します。サポートが「起点」となって開発のチケットを発行し、解決まで進捗の管理をしています。
単なる連携に留まらない。同じフィールドで、エンジニアと高め合うシナジー
——サポート部門がエンジニアと同じ開発本部の中にあるメリットは何でしょうか?
心理的な壁がありません。社内Slackの技術チャンネルには自由に参加できますし、エンジニア主催のLT大会(※)にも気軽に参加・登壇できます。昨年12月には「AI」をテーマにした全社的なイベントがありましたが、サポート部門のメンバーも「AIを使って問い合わせ対応をいかに効率化するか」という視点でアウトプットしました。
海外のAWSのイベントに参加したエンジニアから、最新のリリース情報を直接シェアしてもらうこともあります。常に最新の技術を吸収できる環境です。これは、技術好きにとってはたまらない魅力だと思いますね。
※LT大会:エンジニア等が各々の学びなどを短い時間で発表し合うことで、様々な技術にキャッチアップできるイベント
——開発側のエンジニアとは、どんな関係ですか?
非常にフラットですね。逆に開発側から「お客様目線で分かりやすい構成はどうすればいいか」と相談されることもあります。
私たちは「お客様の現実」という強力な根拠を持っています。だからこそ、開発者に対しても「この仕様ではお客様は救われない」と、同じエンジニアとして対等に議論を戦わせることができる。この「技術を背景にした納得感」こそが、開発本部直属の強みです。
——メンバーの皆さんは、どのようなマインドで技術に向き合っているのでしょうか?
私たちが求めているのは、技術スキルだけではありません。その技術が「誰の、どんな幸せに繋がるのか」という想像力です。 根底にあるのは「お客様に感謝され、喜ばれるために、自分はもっと技術に詳しくなければならない」というマインド。技術力と企画力、そして「人の役に立ちたい」というマインドがハイブリッドに融合していること。それが、私たちのチームの強みだと考えています。
既存の枠組みを突破する「横の連携」。サービス間の技術を繋ぎ、200件以上の改善を形にする実力

——実際に、サポート部門の提案によってプロダクトの仕様が動いた事例を教えてください。
あるサービスのWeb管理画面に「二段階認証機能を追加してほしい」というご要望をいただいた際のことです。セキュリティ意識の高まりから、お客様にとっては切実なニーズでした。しかし、そのサービスのシステム構造上、単体で二段階認証をゼロから実装するのは容易ではありませんでした。
そこで、別の提供サービスで既に二段階認証が実装されていることに着目しました。「これを活用できないか」と考え、プロジェクトを跨いでエンジニア間の調整に入り、システム同士を連携させることで、機能追加を実現しました。
——通常、開発はサービスごとのプロジェクト単位で進むものですよね。それを横断させるのは、サポート部門ならではの動き方でしょうか?
基本的にはサービスごとのプロジェクト内で仕様変更や機能追加を完結させますが、私たちの視点は常に「お客様にとっての正解は何か」にあります。一つのプロジェクト内のリソースで解決が難しいなら、社内の他チームが持っている知見や機能を借りてきて、お客様の要望に応える。こうしたプロジェクトの枠を超えた「横の連携」を自分たちの力でプロダクトをより良くしていく。これこそが、私たちの部署が介在する大きな意味だと実感しています。結果として、こうしたサポート発信の改善事例は200件以上積み重なっています。
——200件以上!それだけの調整を形にできるのは、SBNならではの「裁量の大きさ」があるからでしょうか。
そうですね。少数精鋭の組織だからこそ、個人の意見や提案が通りやすいと感じています。入社して間もないメンバーであっても、「他サービスのあの機能を使えば、この課題を解決できるのではないか」といったアイデアがあれば、すぐに検討のテーブルに乗ります。「決められた手順書通りに回す」だけの組織なら、プロジェクトの境界を越えるような発想は生まれないでしょう。でも、私たちの部署は「根本的な解決のために何ができるか」を自ら描き、開発や企画を巻き込んでいくことが求められます。自分のアンテナを高く張り、改善のチケットを発行し、それが実際のサービスとして世に出ていく。その全プロセスに主体的に関われる。これは、運用保守を経験してきた人にとって、一段階上のステージへ進むための最高の環境になるはずです。
「現場での違和感」を武器に、自らの手でサービスを動かす喜びを。未来の仲間へのメッセージ
——どんな人と一緒に働きたいですか?
現在、私たちのチームは4名のメンバーと私で構成されています。ベテランが多く、落ち着いた雰囲気で「何を聞いても丁寧に教えてくれる」という安心感はありますが、一方で、これからのSBNを担う次世代のメンバーを求めています。 特に、ネットワークやサーバー、クラウドの運用保守を数年経験し、「今の仕事にやりがいを感じているけれど、もっと仕組みづくりそのものに関わりたい」と、一歩先のキャリアを模索している方には最適です。現場で味わった「なぜこんなに障害が起きるんだ?」「この設計はどうなんだ?」という“疑問”を、サポートとして正しくぶつけられる人。そんなエネルギーを持った方と、これからの組織を作っていきたいと思っています。
——「未経験から企画職へ」と聞くと、ハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。
確かに「企画」という言葉には難しそうな響きがありますが、ベースとなるのは今皆さんが持っている技術知識です。現場を知っているからこそ、優れた企画が生まれます。最初から完璧な仕様書が書けなくてもいい。大切なのは、「もっと良くしたい」という主体性と、開発や営業など異なる立場の人と円滑にやり取りできるコミュニケーション力です。 私たちのチームは、教えることが好きなメンバーばかりです。技術的なフォローはもちろん、どうすれば組織を動かせるか、どうすればプロジェクトをマネジメントできるかといった、ワンランク上のスキルも惜しみなく伝えていきます。
——最後に、この記事を読んでいる候補者の方へメッセージをお願いします。
SBNのユーザー技術サポート部は、これからさらに組織を拡大し、新しいサービスの立ち上げにも深く関わっていくフェーズにあります。 もしあなたが今、受動的な運用やルーティンワークに閉塞感を感じているなら、その「現場力」を、サービスを創る「企画力」に変えてみませんか。あなたのこれまでの苦労や経験を、次世代のICTインフラを支える設計図へと昇華させる。そんな「攻めのキャリア」を、SBNで一緒に描き始めましょう。
(所属・役職はインタビュー時点の内容です。)
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