Substackを使っていると、こんなことを思いませんか。
日本にSubstackユーザーって、実際どれくらいいるんだろう
Substackはこれから日本で広がるんだろうか
noteみたいに単記事販売はできないんだろうか
私はずっと気になっていました。
そんな中、先日Substackに関するオンラインセミナーに参加してきました。
D-JEDI(デジタル・ジャーナリスト育成機構)が開催した、「なぜいま、ニュースレターか 日本進出するSubstackと考える、書き手が生き残る新しいモデル」というイベントです。
登壇されたのは、Head of Partnerships, Substack Japan、日本Substack創業第一号メンバーに選ばれた、伊藤王樹さん。
Substackの日本担当者に、直接質問できる。
こんな機会はなかなかないので、普段から気になっていることを全部聞いてみようと思ったんです。
そして実際、かなり質問しました。
私が投稿した質問はこちらです。
現時点のSubstackの日本ユーザーは何人くらいですか?
今後、日本のSubstackを伸ばすためにどんな施策を考えられていますか?
Substack本社は、日本のSubstackの状況をどのように見ていますか?
今のSubstackは有料購読のみで、現段階では収益化の難しさを感じています。単記事の有料販売をご検討いただけないでしょうか?
海外のSubstackのように、日本のSubstackを伸ばすためには、何が必要だと思いますか?
今回は、私が実際に質問して、ご回答いただいた内容をまとめてみます。
今回のセミナーで印象的だったのが、Substack全体の規模です。
紹介された数字では、こうでした。
アクティブな購読者:数千万人
有料購読者:500万人以上
有料パブリケーション:約10万(うち米国外が約3万)
年間100万ドル以上を売り上げるクリエイター:50組以上
さらにセミナーで紹介されたデータでは、
2026年5月時点でSubstack.comは米国のニュースサイトで9位。
The New York TimesやCNN、BBCなどが並ぶランキングの中に、Substackが入っているんですよね。
日本ではまだ、
「Substackって何?」
と聞かれることも珍しくありません。
でも世界では、すでに巨大なクリエイター経済圏ができている。
では、日本ではこれからどうなるのか。
ここから、実際に質問した内容を紹介していきますね。
最初に聞いたのは、これです。
「現時点のSubstackの日本ユーザーは何人くらいですか?」
ずっと知りたかったことでした。
私自身、日本でSubstackを使っている人がどれくらいいるのか調べてきましたが、公式の数字はほとんど出ていないんですよね。
ただ、今回も具体的な数字は教えてもらえませんでした。
その代わり、Substack本社は日本市場についてこういうデータを持っているそうです。
ユーザー数はまだそれほど多くないものの、課金率が高い。
つまり、単純に「今何人いるか」だけで日本を見ているわけじゃないんですよ。
まだ市場は小さいけれど、お金を払って読む可能性がある市場。
そう評価されているんですよね。
これは意外でした。
私はこれまで、
「日本はまだ人が少ないから、有料購読は難しい」
という側面を強く見ていたんです。
でも本社から見ると、少ないのに課金率が高い。だから伸びしろがある。
そういう見方もできるわけですよね。
日本が展開市場として選ばれた理由のひとつが、さっきの課金率の高さ。
そしてもうひとつが、日本はテキストフレンドリーな市場だと見られているということでした。
例えばXです。
日本はXの利用者が非常に多い国ですよね。
文字を読んだり、文字で発信したり、テキストを通じて人とつながったりする文化が、すでにかなりある。
さらに面白かったのが、noteの存在です。
一般的には、日本はテキストコンテンツにお金を払う人が少ない市場だと言われています。
ところがnoteによって、
「個人の文章やコンテンツにお金を払う」
という文化が、日本ではすでに育ってきた。
Substackからすると、これはかなり大きいのかもしれません。
次に聞いたのが、これです。
「今後、日本のSubstackを伸ばすためにどんな施策を考えられていますか?」
ここで話されていたのは、成功事例を作って、それを少しずつ広げていくという方向性でした。
例えば、すでに他の場所でファンを持っているクリエイターがSubstackを始める。
そこで読者が増える。
収益化もうまくいく。
すると「あの人がSubstackをやっているなら、自分もやってみようかな」という人が出てくる。
こうした成功事例を、メディアへの露出や、伊藤さんとのコラボレーションなどを通じて増やしていく。
そういう考えがあるそうです。
つまり今後は、
「Substackで成功する日本人」の事例が増えていくこと自体が、最大のマーケティングになる
のかもしれません。
これ、私が以前記事に書いた考えと同じだったんですよね。
「Substackはすごいですよ」と100回説明するより。
実際に面白いコミュニティを作っている人、収益化できた人。
そういう人が増えたほうが、圧倒的に伝わりやすいです。
これは個人的に、かなり聞きたかった質問です。
noteなら「この記事だけ500円」という単記事販売ができます。
一方、今のSubstackは月額か年間の継続購読が基本です。
日本ではまだユーザー自体が少ない今の状況で、有料購読者を増やすのはハードルが高いと私は感じているんですよね。
回答は、
現時点で、近いうちに単記事販売をリリースする予定はない
とのことでした。
でもこれは、単純に「その機能をまだ作っていない」という話ではないんです。
Substackが大切にしている思想があるからでした。
それが、
クリエイターに持続可能で安定した収益を作ってもらうこと。
一回500円の記事を売る。
ではなく、「この人をこれからも読みたい」と思ってもらい、継続的に購読してもらう。
読者と長期的な関係を作る。
そこを大切にしているそうです。
これはnoteとの違いとして、かなり面白いと思いました。
noteは、コンテンツに課金するという仕組みが強い。
一方Substackは、発信者との関係に課金するという思想が強い。
もちろん「将来的に絶対にやらない」ということではありませんでしたが、しばらく実現することはなさそうです。
そして最後に、これを聞きました。
「海外のSubstackのように、日本のSubstackを伸ばすためには何が必要だと思いますか?」
回答は、
「コンテンツの多様さと量」
でした。
海外を見ると、本当にいろいろなジャンルがあります。
政治
経済
ファイナンス
グルメ
旅行
美容
カルチャー
一方、日本ではまだジャンルがある程度偏っています。
Substackについて発信する人
ビジネスについて発信する人
ライターやジャーナリスト
ここがもっと広がってほしい、というのが伊藤さんの考えのようです。
私はこの話を聞いて、「やっぱりそうなんだ」と思いました。
なぜなら、
Substackを広げるためには、Substack攻略情報だけ増やしても仕方がない
と思っていたからです。
料理について発信する人
子育てについて書く人
地方で暮らしている人
写真家
研究者
音楽が好きな人
スポーツについて書く人
旅行する人
いろんなコンテンツがあれば、いろんな人がSubstackに入ってくる。
そして、
「Substackを開いたら、自分の知らない面白いコンテンツがたくさんある」
という状態になったとき。
日本のSubstackは一気に面白くなるのかもしれません。
今回いろいろ質問してみて、一番大きかった気づきがあります。
私は最近、
「自分のSubstackを伸ばすより、まずSubstackをやる人を増やしたい」
と思うようになっていました。
今回「日本に足りないのはコンテンツの多様さと量」という話を聞いて、その理由がかなり言語化できたんですよね。
今Substackを使っている少人数の中で、同じ読者を奪い合っても仕方がない。
料理レシピを書く人を連れてくる
写真家を連れてくる
子育てについて書く人を連れてくる
研究者を連れてくる
地方で面白い暮らしをしている人を連れてくる
そうやって、市場そのものを大きくしたほうが、結局みんなにとってプラスになる。
今は、パイを奪い合うフェーズではなく、パイそのものを大きくするフェーズなのかもしれません。
今回のセミナーを聞いて、私が一番感じたことがあります。
それは、
「Substack Japanができたから、これから日本でも勝手にSubstackが伸びていくわけではない」
ということです。
もちろん、日本に可能性がないという意味ではありません。
日本はSubstack本社が期待している国の一つで、海外にはすでに多くの成功事例があります。
ただ、日本でどうすればSubstackが大きく伸びるのか。その完成された答えは、まだないのだと思います。
そして、何か特別な近道があるわけでもありません。
自分の得意分野で専門性のあるコンテンツを作る。
XやThreads、noteなどでも、自分がSubstackでやっていることを発信する。
いろいろな人と交流して、自分を知ってもらう。
そして、少しずつ購読者を増やしていく。
結局、これまで発信をしてきた人なら知っているような、当たり前のことをコツコツ続けることが大切なんだと感じました。
そしてもう一つ、今回のセミナーを聞いて、自分の中で考え方が変わりました。
これからは、
「もし自分がSubstack Japanのトップだったら、どんな発信者が日本にいたら嬉しいだろう?」
という視点で行動してみようと思います。
Substackの面白さを外部でも発信してくれる人。
初心者に使い方を伝えてくれる人。
面白い発信者を紹介してくれる人。
いろいろな人と交流し、Substackを続ける人を増やしてくれる人。
そして、自分自身もいいコンテンツを作り、成功事例になろうとしている人。
そんな人がいたら、きっと心強いはずです。
誰かが日本の成功事例になれば、Substack Japanにも、その人を後押しするためにできることが出てくる。
でも、最初の成功事例そのものを作るのは、今Substackを使っている私たちです。
だから私は、
「Substack Japanが何をしてくれるのか」を待つのではなく、「自分だったら日本のSubstackをどう盛り上げるか」を考えて動いてみる。
今回のセミナーを聞いて、そんなふうにSubstackと向き合ってみようと思いました。
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