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久我レイジ · Jul 28, 2026

AIを使う理由は、AIのためじゃない

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久我レイジ · 久我レイジ

どうも、久我レイジです。

僕の最新作『記録にない君』では、メタバース空間とアバターを中心にしながら、一部に動画AIを使う予定です。

割合で言えば、メタバースが80%から90%。動画AIは10%から20%くらい。

全部をAIで作るわけではありません。

作品の中心は、これまでと変わらずメタバースです。

僕が監督を務めたメタバース恋愛ドラマ『クロスロード』も、AIを使わずに制作しました。

声優、アバター出演者、エキストラを合わせて61人。人が声を入れ、人が演じ、メタバース空間で撮影して作った作品です。

撮影中に偶然生まれた間が、思っていた以上に良かったり、演者の声を聞いたことで、書いた時とは台詞の意味が変わったりする。

効率だけでは生まれないものって、やっぱりあるんですよね。

では、なぜ最新作では動画AIを使うのか。

メタバースをやめたいからではありません。

むしろ、メタバースドラマをもう少し先へ進めたいからです。

『記録にない君』は、記憶と現実の境界が物語に関わってきます。

現実のように見えるのに、どこかがおかしい。

本当に起きた出来事なのか、それとも誰かの記憶なのか。

そういう違和感を映像で表現しようとすると、メタバース空間とアバターだけでは、どうしても難しい場面があります。

ほんの数秒の映像のために、大きなワールドを一から作るのも現実的ではありません。

これまでは、予算や技術の問題で諦めていた表現もありました。

でも、動画AIを使えば、そこに少しだけ手が届くかもしれない。

僕が期待しているのは、そこです。

ただ、映像を作れるから使う、では駄目だと思っています。

新しいから、派手だから、AIを使ったと言いたいから。そんな理由で入れてしまえば、作品よりもAIの方が目立ってしまいます。

僕が作りたいのは、AI映像の見本ではありません。

見終わったあとに、登場人物の気持ちや物語が残るドラマです。

キャラクターがなぜ黙ったのか。

なぜ好きなのに離れようとしたのか。

沈黙を何秒残すのか。

演者の声を聞いて、台詞や演出を変えるのか。

そこは、監督である僕が決めます。

AIは映像を生成できます。

でも、その映像が物語に本当に必要なのか。ただ目立っているだけなのか。そこまでは決めてくれません。

人が演じる部分は残す。

撮影現場で生まれる偶然も残す。

その上で、メタバースだけでは表現しきれなかった、記憶と現実の境界に動画AIの力を借りる。

AIでメタバースドラマを置き換えるのではなく、メタバースドラマだけでは届かなかった場所へ進む。

僕は、そのために動画AIを使います。

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