ソニービズネットワークス(以下、SBN)は新たにセールステック領域に参入し、新サービスであるセールスコミュニケーションツール『Enly』を2026年5月28日にリリースしました。
今回は、『Enly』の企画と営業を担当する北島、鈴木、家村の3名に、サービスの開発経緯をはじめ、サービスの概要や特長・強みを聞きました。

北島
『Enly』 企画担当
鈴木
『Enly』 営業・営業企画担当
家村
『Enly』 営業・カスタマーサクセス担当
3人の熱意から始まった『Enly』
―――――― まずは『Enly』がどういったサービスか教えてください。
北島:
『Enly』は、営業と顧客が同じデジタル空間で商談・取引を進められる、セールスコミュニケーションツールです。
資料共有やチャット、タスク管理などBtoB商談に必要不可欠なコミュニケーションを、営業と顧客専用のオンラインワークスペースに集約する、新たな営業基盤(ツール)です。
営業と顧客が「売り手」と「買い手」の垣根を越えて、1つのチームとなって合意形成を進めることで、顧客には心地よい購買体験を、営業には成約率向上を実現します。
――― 『Enly』はどのような経緯で誕生したのですか。
北島:
はじまりは、2021年に開催された、社内の新規ビジネスコンテスト「びずつく」です。
僕と鈴木、家村の3人でアイデアを提出したところ、事業化を検討することになりました。そのときのアイデアは、セールスコミュニケーションツールではなく「音声AI」でしたね。
鈴木:
アイデアの内容よりは、3人の熱量を評価してもらった部分が大きかったと思います(笑)。
というのも、「びずつく」の案内メールが届いて、すぐに2人に連絡して2秒後にチームを結成したくらいの熱量だったので!
部署はバラバラでしたが、同期入社で普段から仲が良かったので迷わず2人に声を掛けました。

北島:
事業化の検討はプロジェクトとして進められました。アイデアを何度も練り直すうちに、方向性も大きく変わっていきましたね。
――― どのような方向転換があったのでしょうか。
北島:
最初は「音声AI」を深掘りしていきましたが、当時のLLM(大規模言語モデル)は論文こそあるものの、製品は少ない状況でした。技術的な実現性を考えると、当時のAIの枠組みでは難しいと判断。次に、ビジネスで音声を使う領域として<社内会議の議事録>と<商談分析>に着目しました。
ただ、こちらも当時のAI技術では“要約する”ことのハードルが高く、断念。
その後、<社内会議>と<商談>の文脈で考えるなかで、これまでの自分たちのBtoBセールスの経験から「営業とお客様の間で、商談や議事録を共有できるプラットフォームがあれば便利だよね」という話になりました。そこから、営業コンテンツや商談履歴をお客様に届けるツールにターゲットを絞っていきました。
鈴木:
そのときに出会ったのが、コロナ禍にアメリカで発展した営業ツール「デジタルセールスルーム(DSR)」でした。
DSRは、営業担当者とお客様が、商談や取引に関する情報をオンラインスペース上で共有・管理できるセールステックサービス。これは日本にも波が来るぞ!と、起案構想を始めました。
構想をブラッシュアップして経営陣にプレゼンした結果、自社の営業組織における営業課題に対する解決策にもなり得る点も評価いただき、β版を開発してPoCを実施することになりました。
“おもてなし”と営業生産性を両立
日本の商習慣から見えた独自の価値
――― DSRではなく、なぜ“セールスコミュニケーションツール”なのですか。
北島:
DSRがアメリカで浸透した背景には、<コンテンツ駆動>の商習慣にあると思っています。国土が広く、オンラインでのやり取りが中心で、いかに効率よく顧客にコンテンツを届けるかが重要です。
一方、日本では、商談における間合いやタイミング、相手への気遣いが非常に重要です。営業都合で効率化を進めても、双方が使うツールとしては成り立ちづらいと思ったんです。
日本では、コンテンツより<コミュニケーション>こそが一番重要ではないか、と考えるようになりました。
鈴木:
「お客様がいて、営業の僕たちがいる」という考えのもと、お客様への“おもてなし”“ホスピタリティ”の視点と、営業生産性を高める視点が掛け合わさったところに新しい価値があると考えました。
北島:
日本独自の“おもてなし”や“ホスピタリティ”が融合した<コミュニケーション駆動>のDSRがあれば、お客様にとっても心地の良い購買体験をしていただける。これが、“セールスコミュニケーション”の考え方です。
――― 日本にもDSRのサービスがありますが、『Enly』ならではの特長や強みを教えてください。
北島:
先ほどお話した<コミュニケーション駆動>に加えて、<リレーション構築型>であることも『Enly』の大きな特長です。
単発の商談や短期のプロジェクト用途で使用するのではなく、お客様と営業が1対1のコミュニケーションを重ねながらリレーションを構築し、深めていく考え方です。
鈴木:
関係性を築いてお客様のエンゲージメントを高めることで、成約率を向上させる営業側のメリットにつながります。
北島:
その他の営業視点の強みは、お客様の会社内で誰が・何を・どのくらい閲覧しているのかを正確にリアルタイムで把握できる点です。
それらが分かることで、お客様への細かいフォローを可能にして、エンゲージメントの向上にもつなげられます。

北島:
あとは、インスタントに立ち上げられるコラボレーション空間も『Enly』の強みです。
お客様とのコラボレーション空間といえば「Slackコネクト」などがありますが、ある程度関係性が構築できていないと立ち上げづらいものです。
『Enly』は、名刺交換をした瞬間にコラボレーション空間を簡単に立ち上げられるんです。
鈴木:
それを実現するためにこだわったのが、アカウントレス(スマートOTP認証)で使える仕組みです。
お客様は営業から届いたURLにアクセスして、自身のメールアドレスに紐づいたワンタイムパスワード(OTP)でログインするだけ。
IDとパスワードを設定する作業をなくして心理的ハードルを下げ、すぐに利用できるようにしました。
『Enly』はセキュアなコラボレーション空間がすぐに立ち上げられて、なおかつ正確なログが取れるという、お客様と営業の双方にメリットがあるツールなんです。

『Enly』という名前に込めた想い
使って見えた『Enly』の価値
――― サービス名の由来を教えてください。
家村:
『Enly』の「En(えん)」には3つの意味を込めています。
1つ目は人と企業の「縁をつなぐ」、2つ目はビジネスを前に進める「エンジン」になる、3つ目はお客様と関係性を築いていく「エンゲージメント」です。
サービス名はできるだけ短く、覚えやすいものにしたかったので、そこに形容詞の接尾辞である「ly」を組み合わせました。響きが良いですし、「Lead you(導く)」という意味も込めて、縁やエンジン、エンゲージメントが、お客様のビジネスを導いていく『Enly』となりました。
ロゴにもこだわって、「y」の色を変えて矢印のように見せることで「進める」「導く」という意味を表現しました。
―――『Enly』を自社の営業チームで使用したと聞きました。反応はどうでしたか?
家村:
反応は非常に良かったです!
特に評価が高かったのは「チャット機能」と「ログ検知」でした。
僕自身も実際にお客様とのやり取りで使用していますが、これまでの営業活動では経験したことのない感覚がたくさんあります。
例えば、商談後のお礼メール。通常、お礼メールへの返信はほとんどありませんが、『Enly』内のチャットでお礼メッセージを送ったら、お客様がワークスペースに入ったと通知が届いたんです。「あ、お客様が見てくれている!」と分かったのはとても新鮮な体験でした。案件が進んでいないような時でも、実はお客様がオンラインワークスペースに入って資料を見ていることも分かりました。
これまで営業側からは見えなかったお客様の動きや反応が分かる。新しい感覚が得られる営業ツールだと思いました。
鈴木:
商談と商談の間にある空白が見えるようになると、お客様のインサイト(無意識の本音)が分かって、次の打ち手にもつながります。
家村:
空白期間にお客様がログインしたり資料をダウンロードしたりすると通知が届くので、そのタイミングで「お困りごとありますか?」とアプローチできます。先ほどの“おもてなし”文脈の通り、お客様の動きを先読みして、先回りした提案やサポートをすることで、実際にエンゲージメントを高められると感じました。

鈴木:
社内におけるマネジメント面でもメリットがありました。
部下の提案内容やお客様の反応を『Enly』上で客観的に確認できるので、営業の状況や手触りを上司と部下ですり合わせやすくなったと。
これまで1on1で主観混じりの報告が多かったメンバーも、上司に現状を正確に共有できますし、マネジメント側も次の打ち手を具体的にアドバイスしやすくなったそうです。
――― お客様側の反応はどうでしたか。
家村:
ほしい情報にすぐにたどり着ける、との声をいただきました。
お客様側も複数の営業担当者から提案を受けていて、見返したいメールや資料が見つからない……ということが多々あったそうです。
『Enly』は情報がすべて1箇所にまとまっているので非常に便利!と評価をいただきました。
また、営業側と同じく「チャットが楽!」ともおっしゃっていました。形式張ったやりとりではなく、気軽に連絡が取れるのが良かったそうです。
――― お客様側が求めるコミュニケーションの取り方も変わってきているのかもしれませんね。
家村:
そうですね。
あとは、あるお客様は、担当者が変わるタイミングだったのですが、新任の方を『Enly』のオンラインワークスペースに招待することで過去のやり取りがすべて確認できるため、引き継ぎが楽だった、という声もいただきました。
『Enly』のこれから
――― これからの『Enly』の展開について教えてください
北島:
企画としては、お客様の反応を見ながらサービスの方向性を見極めて行きたいと考えています。
やりたいことはたくさんありますし、その方向性がいくつかあるので、どこに向かうのが最適かを仮説検証しながら見極めていきます。
鈴木:
営業は、9月頃までは市場を走り回りながら、企画側の検証だけでなく売り方や訴求方法も仮説検証していきます。
あとは、ソニーのグループ会社とも連携して拡大していきたいです。
家村:
SBNの営業は、セールスイネーブルメントの考え方を取り入れながら、お客様のために何ができるかを徹底的に考えるスタイルです。
よりお客様本位の営業を実現するために自社でも『Enly』を活用しながら、全社でサービスをブラッシュアップしていきたいです。
――― 最後に、メッセージをお願いします。
家村:
最近はAI機能で営業業務を効率化させて楽にできるツールがたくさんリリースされていますが、業務を楽にして代わりに何をするかが重要だと思います。
NURO Bizの営業担当として、BtoBセールスに長く携わってきた僕たちが原点回帰したとき、重要なことは「お客様に向き合い、お客様のためにより良い営業になること」だと考えました。その結果が、受注率向上につながっていくのだと思います。
セールスコミュニケーションツール『Enly』は、オンラインワークスペース上でお客様とダイレクトにつながり、向き合う時間を創出できる営業ツールです。
今、自社の営業組織に課題を感じている方がいれば、ぜひSBNにご相談いただければと思います!
鈴木:
『Enly』はトライアルも行っています。
サービスに関する質問だけでもかまいませんので、お気軽にお問い合わせください!

(この記事は公開日時点の内容です)

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