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ムラサメデザイン · Aug 20, 2026

AIが賢くなるほど、プロンプトの価値は下がる

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ムラサメ | 伝わるデザイン・ディレクター · ムラサメデザイン


「このプロンプトをコピペするだけで、プロの構図になります。」
コピーするために、指が伸びかけていました。
その投稿自体を否定するつもりは全くありません。

プロンプトはすぐに試せます。成果も見えやすい。
AIを始めるきっかけとして、プロンプト配布は大きな役割を果たしてきました。

ただ、指を止めた自分に、少し驚いたんです。

プロンプトは道順。
「ここからあそこへ行くには、この道を通ってください」という指示に過ぎません。
なのに私は、行き先を確かめる前に、道順のほうへ手を伸ばしていました。

そして最近、デザイン発信の多くが同じことをしているように見えるんです。

なぜその行き先を選んだのか?
なぜその道が正しいのか?

そこを語る投稿は、以前より少なくなった気がします。
これはデザインだけの話ではありません。

料理ならレシピ。
写真ならカメラの設定。
動画なら編集テンプレート。

SNSでは、地図の読み方よりも、道順そのものが評価されやすいです。
その流れは自然なこと。
だからこそ、最近は少し逆のことを考えています。

AIが賢くなるほど、プロンプトの価値は下がるのではないか?一見すると矛盾に聞こえるかもしれません。
でも、技術の歴史を振り返ると似た事例があります。

昔の検索エンジンは、検索演算子という「道順」を知っている人ほど有利でした。
今では、思ったままの言葉を打ち込むだけで目的地にたどり着けます。
その道順を覚える必要は無くなりました。

優れた技術は、人間が覚えるべき道順を減らし、目的地そのものに集中させる方向へ進化していきます。

AIもその延長線上にあります。
道順はAIが肩代わりする。

ただし、地図を読む力「どこへ向かうべきかを判断する力」だけは、代替されません。

なので将来、価値が残るのは「どう書くか?」ではなく、「何を作るべきか?」を考える力ではないかと思うのです。

もし発信の中心が道順の配布だけになったら、その人はデザインを伝えているのでしょうか?

それとも、AIの使い方を伝えているのでしょうか?

どちらが良い悪いという話ではありません。
AI活用を教えるなら、道順の配布はとても理にかなっています。

一方で、デザインを伝えたいのであれば、道順だけでは少し物足りない。
本来デザインが扱ってきたのは、「なぜ、その行き先なのか?」という地図の側だからです。

プロンプトは道順。
設計思想は、地図そのもの。

便利な道順は、これからも必要でしょう。
むしろAIが普及するほど、その需要は増えるかもしれません。

ただその便利さが、AI自身の進化によって少しずつ吸収されていくことは否めません。
だからこそ、人間に残る価値は逆にシンプルになります。

地図を描ける人は、大体が一番多く迷った人です。
道に詳しいからではありません。
行き止まりを、誰よりも多く見てきたからです。

道順を配る人ではなく、

迷った跡を、地図に変えられる人。AI時代に求められるデザイン発信者とは、そんな人なのかもしれません。

あなたは配布されたプロンプトをコピーせず、指を離せますか?


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