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本では読めない労務管理の"ミソ" · May 8, 2026

4月から6月は残業をしないで、と言われるのはなぜ?

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あやめ社労士事務所 · 本では読めない労務管理の"ミソ"

4月から6月の間は、残業、つまり時間外の労働時間がなるべく少なくなるようにする。そういう要求をされることも、職場によってはあるんですね。

理由は、

ためです。

社会保険料を減らすために、春から初夏にかけて、残業を減らそうという試みをするのですね。

その目安なり、基準なりを知りたいところですよね。

取り組むほどの効果があるのかどうか。

やったところでせいぜい誤差程度のものでしかないのか。

さあ、どうなることやら。

例えば、普段の時間外労働時間が平均で月30時間だとして、調整して、4月から6月は月25時間の時間外労働にすると、社会保険料はどれくらい変わるでしょうか。

仮に、1時間あたりの給与が5,000円の人がいたとして、この人が法定時間外に残業すると、25%増しとして、1時間あたり6,250円の報酬になります。

この方が1ヶ月あたりにおよそ30時間の時間外労働をしているところ、それを月に25時間まで減らしたとすると、社会保険料はどれほど減るのか。

減った時間数は月5時間ですから、5時間掛ける6,250円で、1ヶ月あたり31,250円、報酬月額が少なくなります。

社会保険料は、標準報酬月額の等級によって決まりますので、

では、この方の場合、1ヶ月に31,250円の報酬月額が少なくなったとして、社会保険料の標準報酬月額の等級が下がるのかどうか。

この方の報酬月額が月850,000円だとして、そこから時間外労働、月5時間を減らしたので、31,250円の報酬月額を減らすと、

報酬月額は818,750円。

この場合、標準報酬月額の等級は、40等級の830,000円のまま。

そのため、時間外労働を1ヶ月に5時間減らしたとしても、社会保険料は変わらない。

では時間外労働を月に10時間減らしたとするとどうなるか。

この場合、報酬月額は月に62,500円減りますから、850,000円から62,500円を減らして、787,500円となります。

これが報酬月額。社会保険では賃金とか給与ではなく、報酬月額という表現を使うんですね。

その報酬月額に対応する標準報酬月額の等級は39級の790,000円。

ですので、月に10時間、時間外労働を減らせば、標準報酬月額の等級が1等級下がります。

その結果、社会保険料は減ります。

40等級の830,000円が標準報酬月額だと、社会保険料を30%とした場合、1月の社会保険料は249,000円。

一方で、39等級の790,000円の場合は、社会保険料は237,000円。

月に10時間、時間外労働を減らして、社会保険料は12,000円減ります。

1か月で12,000円です。

社会保険料は労使折半なので、

です。

月収850,000円の人が時間外労働を4月から6月に減らす試みをして、その結果、減らすことができた社会保険料は月6,000円。

あえて取り込むほどの価値があるのかどうか。

収入の規模から考えれば、おそらくやってもやらなくてもいいんじゃないか、という結論になるのでは。

社会保険料の「節約」だけを見てしまうと、実際には将来給付や休業補償を下げる側面があります。

特に4〜6月の報酬を意図的に抑えると、

  • 健康保険料

  • 厚生年金保険料

が下がる一方で、

  • 傷病手当金

  • 出産手当金

  • 老齢厚生年金

  • 障害厚生年金

  • 遺族厚生年金

などの算定基礎にも影響します。

保険料と給付が連動していますから。

例えば、傷病手当金は、原則として「支給開始前12か月の標準報酬月額平均」を基礎にしますので、

標準報酬月額を下げると、病気や怪我で休んでいる時の給付も減ります。

老齢厚生年金も、長期的には平均標準報酬額ベースですから、将来年金にも影響します。

を前面に出すより、

「恒常的な長時間労働を減らす」

「年間を通じて労働時間を平準化する」

という目的で、年間を通して時間外労働を減らしていく方が正攻法です。

  • 業務の平準化

  • ムダ作業削減

  • 繁忙時期の見直し

  • IT化

  • 人員配置改善

  • 残業を前提とした業務の是正

などを通じて、年間を通じて少しずつ時間外労働を減らすなら、

  • 健康配慮

  • 生産性向上

  • 人件費適正化

  • 離職防止

  • 採用力向上

につながります。

これならば、在職している人にも不自然さはありませんし、働き続けてくれる人も増えますから、

小銭を節約するのではなく、長い目で見て判断する方がリターンが大きい

でしょう。

Read the original on grwrk.substack.com

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