advance は「進める」「発展させる」といった意味を持つ言葉です。フィルムテープや時計の針を進めるように、時間や状態を一歩先へ進めるニュアンスがあります。
そのため、動画を早送りしたり、プレゼンテーションのスライドを次へ進めたりといった、UI デザインの文脈でもよく使われます。
私はこの言葉を知らず、以前は「次のスライドへ進む」という意味で move や go を多用していました。
This slideshow moves to the next slide automatically after a set period of time.
このスライドショーは、一定時間が経つと自動で次のスライドへ移動します。
これはこれで十分に自然な表現です。しかし、「次のスライドへ進む」という動作そのものを表す advance を知ってからは、こちらの言葉が真っ先に思い浮かぶようになりました。
This slideshow advances (to the next slide) automatically after a set period of time.
このスライドショーは、一定時間が経つと自動で(次のスライドへ)進みます。※スライドを見せながら説明する場面では、「次へ進む」ことは自明なので to the next slide を省略することもよくあります。
I want to add arrow buttons to the hero section so users can advance through the carousel or return to the previous slide.
ヒーローセクションに矢印ボタンを追加して、ユーザーがカルーセルを順に進んだり、前のスライドへ戻ったりできるようにしたい。
Let's add a feature that allows viewers to advance the video by 10 seconds by double-tapping on the right side of the screen.
画面右側をダブルタップすると、動画を10秒進められる機能を追加しよう。
デザインだけでなく、プロジェクトや作業を「前へ進める」という意味でも advance はよく使われます。
I can take tomorrow afternoon to advance the app design a bit.
明日の午後に時間を取って、アプリのデザインを少し進められます。
I've advanced the mockup to include your suggestions. Can we discuss the changes?
提案を取り入れてモックアップを更新しました。変更点について話し合いませんか?
FEATURE
“in advance” とすると、「前もって」「事前に」「あらかじめ」という意味になります。ミーティングの前に資料を共有したり、事前に情報を送ったりするときによく使われる表現です。
If anyone has anything to share during the design critique, please share it in advance.
デザインレビューで共有したいものがある方は、事前に共有してください。
頼みごとをするときに “Thanks in advance!”(あらかじめありがとうございます!)という言葉で締めくくられているのを初めて見たときは、少し驚きました。しかも、これが思っていた以上によく使われるのです。
相手が頼みを引き受けてくれることを前提に、先にお礼を伝えるのは少し不思議にも感じます。しかし、日本語で「よろしくお願いします」と添える感覚に近いものなのかもしれません。
Hi everyone! I would be so grateful if you could find a few minutes to fill out this survey. Thanks in advance!
皆さん、お時間のあるときにアンケートにご回答いただけると嬉しいです。よろしくお願いします!
Thanks in advance! は、特にテキストでのコミュニケーションでよく使われるフレーズです。メールやチャットでは頻繁に目にしますが、対面で耳にする機会はそれほど多くありません。非同期のコミュニケーションだからこそ、返事や対応を待つ前に感謝を伝えてしまう表現が定着したのかもしれません。
一方で、依頼を引き受けてもらえることを前提にした表現でもあるため、人によっては少し押し付けがましく感じることもあります。相手との関係性や、慎重なやり取りが求められる場面では、別の表現を選んだ方がよいこともあるでしょう。
お願いごとをするときの英語表現については、以前別の記事でも紹介しているので、興味があればぜひ合わせて読んでみてください。

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