こんにちは!前回の ₿ Around the Block がなかなか好評でしたので、今回は続編で、台湾、韓国、香港を取り上げてみます。
読者の中には、各地域についてもっと詳しい方がいらっしゃると思います。もしそれは違うよ、とか、こんな面白いイベントもあるよ、など情報がありましたら、ぜひコメントにお寄せください。
台湾のビットコインコミュニティは、単なる投資やトレードを超えた独自の発展を見せています。
近年の台湾では、ビットコインが政治の表舞台で議論されています。2026年には議員の葛如鈞(Ko Ju-Chun)氏が、外貨準備の一部としてビットコインを保有する可能性を提言し、地政学的リスクや米ドル依存への備えとして注目を集めました。台湾政府が押収資産として少なくとも210 BTCを保有していることも明らかになっており、アジアでも数少ない「ビットコイン準備資産」が議論される地域となっています。
その一方で、2025年にはBitShine(幣想科技)とCoinWの関係者が関与した大規模な詐欺・マネーロンダリング事件が発覚し、14名が起訴されました。被害者は1,500人以上、資金洗浄額は約23億台湾ドル(110億円超)にのぼるとされ、台湾の暗号資産業界に大きな衝撃を与えました。
こうした状況のなか、台湾ではビットコインオンリーのコミュニティも着実に活動を続けています。Taiwan Bitcoin Hub や Plan ₿ Network Taipei は、技術教育やミートアップを通じてビットコインの普及に取り組んでおり、アジアにおけるビットコインコミュニティの重要な拠点の一つとなっています。台北市の Tempo House にて様々なイベントが開催されています。
かつて韓国は、ビットコイン価格が海外市場を大きく上回る「キムチプレミアム」で知られていました。しかし近年は状況が変化し、一時的に韓国市場の価格が海外を下回る「逆プレミアム」が観測されるなど、市場の過熱感が冷めてきたようです。
規制面でも大きな変化が進んでいます。2027年には暗号資産のキャピタルゲイン課税が導入される見通しですが、税率22%に反対するオンライン請願には5万人以上が参加しました。韓国では暗号資産投資家の裾野が広く、税制は社会的な関心事となっています。
また、韓国警察は2025年に、カンボジアを拠点とする詐欺組織と連携し、USDTを利用して約140億ウォン規模の資金洗浄を行ったグループを摘発しました。市場の拡大とともに、当局による監督や取り締まりも強化されています。
こうした動きからは、韓国のビットコイン・暗号資産市場が、投機中心の時代から制度や規制を伴う成熟段階へ移行しつつある姿が見えてきます。
今年、韓国ではいくつかメジャーなビットコインカンファレスが開催されます。
ORIGIN SEOUL 2026年9月2~3日
bitcoin++ goes dark 2026年11月5~6日
Bitcoin Korea Conference 2026年11月7~8日
なお、ソウルにはビットコインやオープンソース開発に取り組む技術者コミュニティがあります。特に若い世代を中心に、セルフカストディやノード運用への関心が高まりつつあります。
bitcoin center Seoul と Bitcoin House Origin では、一般向けおよび技術者向けのミートアップが開かれています。気軽に立ち寄れるラウンジ、ハードウェアウォレットの体験、ビットコインを学ぶコース、Co-working スペースなども提供されています。
香港では近年、ビットコインそのものの普及だけでなく、デジタル資産の金融センターとしての地位確立が進められています。2026年には香港金融管理局(HKMA)が初のステーブルコイン発行ライセンスを承認し、伝統的な金融機関とデジタル資産企業が連携した新たな市場づくりが始まりました。また、香港上場企業の中にはビットコイン建て資産運用サービスへ参入する動きも見られ、機関投資家向けのビットコイン金融商品の拡大が期待されています。
コミュニティ活動も非常に活発です。Bitcoin HK は香港最大級のビットコインコミュニティの一つで、メンバー数は6,000人を超えています。定期的にミートアップや勉強会が開催されており、ビットコインに関心のある旅行者でも気軽に参加できます。イベント情報は Bitcoin HK のウェブサイトや Meetup ページで確認できます。
さらに2026年8月にはアジア最大級のカンファレンス「Bitcoin Asia 2026」が開催予定で、世界中のビットコイン企業や開発者、投資家が香港に集結します。台湾がコミュニティ主導、韓国が市場成熟の段階にあるとすれば、香港は「ビットコインと伝統金融を結ぶ玄関口」として独自の存在感を高めています。
Bitcoin Asia 2026 2026年8月27~28日
台湾、韓国、香港のビットコイン事情を見比べてみると、それぞれの個性がよく見えてきます。台湾はコミュニティ、韓国はマーケット、そして香港は金融ハブ。どの地域もビットコインへの関心は高いものの、その発展の仕方はさまざまです。同じ技術でありながら、地域ごとの文化や経済環境によって異なる形で根付いているのは、ビットコインの面白さの一つかもしれませんね。
では、また来月もどうぞよろしくお願いします!
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