当メルマガは皆さまの支援によって成り立っています。今後の配信も見逃さないために無料購読をお願いいたします。
今回からもう少し基礎的な概念理解の情報発信をしていきたいと思います。
初回の今日はCowork と Claude Codeの違いについてです。
2026年に入って段階的にリリースされたCoworkですが、人によっては「Claude Codeのデスクトップ版なんでしょ?」という理解をされている方もいらっしゃいます。
ですがClaude Codeにできて、Coworkにできない事は明確に存在します。
これを理解するには、Coworkがどのような環境で動作しているのかを理解する事が重要です。
Coworkは「サンドボックス(sandbox)」という環境で動作しています。
「サンドボックス(sandbox)」を直訳すると「砂場」です。
子供が砂場でどれだけ城を作って壊しても、家のリビングは無事ですよね。プログラムにおけるサンドボックスも本質はそれと同じで、プログラムの影響範囲を意図的に限定する仕組みのことを指しています。
Coworkの場合、AIエージェントはサンドボックス化されたコンテナ(箱)の中で動作しています。実際には皆さんがお使いのmacOSやwindowsOSの一部を「間借り(まがり)」して動作しているのですが、サンドボックス環境の外には影響を及ぼさないことが特徴です。
このサンドボックスには、いくつかの制限が設けられています。
ファイルアクセス:明示的に選んだフォルダだけがサンドボックス内で使える(それ以外のフォルダやファイルには触れることができない)
OS APIの制限:パソコン本体の機能(カメラ・マイク・Bluetooth・システム設定など)には一切触れることができない
ネットワーク制限:あらかじめ決められたネットワークにしか接続できない。AIが勝手に怪しいサイトに情報を送ったり、見知らぬサーバーに接続することがない。
つまり、AIが暴走したとしても、被害はサンドボックスの中で完結します。「AIに任せた結果、PCが壊れてしまった」という事故が構造的に起こせないようになっているわけですね。
Claude Codeは、Coworkとは対照的に、開発者のローカルマシン上で直接動作します。ターミナルから起動するエンジニア向けのCLIツールで、コンテナによる隔離は基本的に存在しません。
たとえばClaude CodeでWordPressサイトをローカル環境で開発していると、アップロード先(Xserverなどのレンタルサーバー)の状態をSSH接続(暗号化された通信方式)でサーバー側の状態を確認したり、逆にそのサーバーからデータベースファイルを取得したりする事があります。
それらの操作はClaude Codeからシームレスに出来るのですが、Cowork環境ではできません。
これはエンジニア特有の事情ですが、他のプロジェクトで使っているjavascriptやpythonのファイルなどを、今やっているプロジェクトでも雛形部分を流用したくなることがあります。
こうした操作も、Coworkの場合は外部環境にアクセスできない為できません。一方でClaude Codeはこのあたりもシームレスです。
逆に言えば、Claude Codeは「ユーザーの権限でできることなら、何でもできる」というモデルなのです。一方でCoworkは隔離された環境の範囲で安全にテストできるが、その範囲を越えようとすると不便になる。といった作りです。
両者の違いは技術的な問題というより、想定ユーザーの違いから来ています。
Coworkは「AIを業務に組み込みたいけれど、ターミナルやコンテナの扱いに精通していない方」がメインユーザーです。だから事故を起こさせない構造が最優先されています。
Claude Codeは「AIに自分の開発環境ごと触ってほしい開発者」がメインユーザーです。だからスピードと自由度が最優先されています。
前者は「許可された操作だけ実行可能」、後者は「ユーザーができる操作はすべて実行可能(ただし事前確認はある)」というモデルですね。
どちらが優れているという話ではなくて、求める用途に対してどちらの設計が適合しているか、という話です。
CoworkとClaude Codeは、同じAnthropic製品でありながら、対極の設計思想を採用しています。
Coworkは「安全な隔離」を、Claude Codeは「自由なアクセス」を選んだ
どちらが優れているではなく、想定ユーザーと用途が違う
自分専用AIエージェントを設計する人にとっては、両者は実装パターンの教材になる
「Coworkって Claude Codeのデスクトップ版でしょ?」という理解だと、この設計の差が見えなくなってしまいます。
両者を理解することは、AIエージェントというカテゴリそのものを理解することに直結すると思います。
次回以降、もう少し踏み込んだ実装の話や、自分専用AIエージェントを作るうえでの設計判断の話もしていく予定です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。はじめのメルマガは皆さまの支援によって成り立っています。今後の配信も見逃さないために無料購読をお願いいたします。

Comments
Nothing yet. Say the first thing.
Sign in to join the conversation.