
あなたは自分の人生で、自由を求めるとき、何をすればいいと思いますか?
仕事ができるようになる…
お金を稼げるようになる…
どこでも働けるようになる…
好きなことを見つける…
自分にしかできないことを探す…
こういうことを考える人は、多いと思います。
わたしも、ずっと考えていました。
特に最近は、「自分はAIを使って、何をやりたいのか」という問いに、かなり向き合っていました。
AIは、魔法の杖ではありません。
その人がもともと持っているものを、大きくする。
考えや経験や技術を、広げてくれる。
でも、もともと持っているものがゼロなら、どれだけAIを使っても、かけ算は始まりません。
ゼロに、何をかけても、ゼロです。
この話を前回しました。
正直に言うと、話しながら、少ししんどかったんですよね。
「では、自分は何を持っているのか」
「AIを使って、何を作りたいのか」
そこを、自分でも答えられていなかったからです。
高知へ行って、もっと自分の作りたいものに向き合いたいと思った。
その気持ちは強くなりました。
でも、気持ちが強くなったからといって、すぐに答えが出るわけではありません。
ノートを開いて考えてみる。
散歩しながら考えてみる。
いろいろな人の活動を見てみる。
それでも、「これだ」と思えるものは、なかなか見つかりませんでした。
ところが、答えは、自分の内側を一生懸命に探しているときではなく、人と話しているときに、少しずつ見えてきました。
今日は、そんな話をさせてください。
わたしには、強みがない。
自分には、特別な才能がない。
人に誇れるような実績がない。
そう思っている人は、少なくないと思います。
わたし自身も、以前はそうでした。
「あなたの強みは何ですか?」と聞かれても、すぐに答えられない。
専門家と呼べるほど、1つのことを極めているわけでもない。
誰かより圧倒的に優れていると、自信を持って言えるわけでもない。
だから、強みを見つけようとすると、つい自分の中を掘り始めます。
過去の経験を振り返る。
得意だったことを考える。
人から褒められたことを思い出す。
資格や実績を書き出す。
もちろん、こういう方法が悪いわけではありません。
ただ、これだけでは見つからないものもあります。
なぜなら、自分にとって当たり前のことは、自分では強みだと認識しにくいからです。
毎日、自然にやっている。
特に努力している感覚がない。
誰かに教えてもらわなくてもできる。
だから、自分の中では「わざわざ話すほどのことではない」と処理してしまう。
でも、他の人から見ると、そこに大きな差があるかもしれません。
この前、わたしは何気なく、自分が毎日やっていることを人に話していました。
毎日のPodcastを配信する。
その内容をもとに、メルマガを書く。
Substackにも展開する。
必要な場所へ届ける。
この流れを、できるだけ手をかけずに回しています。
もちろん、最初から何もしなかったわけではありません。
仕組みを組むまでは、かなり考えました。
どこを自動化するのか。
どこは自分で確認するのか。
どんな順番にするのか。
失敗したとき、どこへ戻ればいいのか。
そういうことを、少しずつ整えてきた。
でも、仕組みができてからは、毎日やることが大きく変わるわけではありません。
決めた順番に沿って、確認しながら進めていく。
わたしにとっては、もう日常の作業です。
だから、特別なことだと思っていませんでした。
ところが、その話を聞いた人が、こう言ったんです。
「それ、どうやってるんですか?」
そのとき、少し意外でした。
自分の中では、ただ毎日やっているだけのことだったからです。
でも、相手にとっては、毎日コンテンツを作り、複数の場所へ届ける流れそのものが、よく分からないものだった。
そこで初めて気づきました。
わたしが当たり前にやっていることが、誰かにとっては知りたいことになっている。
自分では、強みとして数えていなかったものが、人との会話の中で、強みらしい輪郭を持ち始めたんです。
強みは、宝物のように自分の中へ埋まっているものを、1人で掘り当てるものだと思っていました。
でも、実際には違うのかもしれません。
誰かの前に置いてみる。
話してみる。
見せてみる。
そのとき相手が、少し身を乗り出したり、質問したり、手を止めたりする。
その反応の中に、自分では見えていなかった価値が現れる。
強みは、自分の中だけでは完成しない。
人とのあいだに置いたとき、初めて輪郭が出るものなのだと思います。
もう1つ、強く残っている出来事があります。
先日、姫路でリアルの作業会を開きました。
そこに、AIを使って何かを始めたいけれど、最初の手がかりが分からず、手が止まっている人がいました。
やりたい気持ちはある。
興味もある。
でも、画面を開いたところで、何から始めればいいのか分からない。
こういう状態は、よくあります。
情報が足りないというより、情報が多すぎる。
AIについて検索すれば、たくさんの解説が出てくる。
便利な使い方も、最新のツールも、成功事例も、いくらでも見つかる。
その結果、始める前に疲れてしまう。
何を選べばいいのか分からない。
間違った方法を選びたくない。
もっと勉強してから始めたほうがいい気がする。
そうやって、最初の1歩が遠くなっていきます。
その人の隣に座って、わたしは自分が毎日やっている順番を、そのまま見せました。
まず、何を作りたいのかを決める。
次に、材料を集める。
AIに任せる部分と、自分が確認する部分を分ける。
出てきたものを、そのまま使わずに、自分の言葉や体験と照らし合わせる。
そして、次の作業へ進む。
特別なことをしたわけではありません。
すごい技術を見せたわけでもない。
ただ、わたしが毎日やっている順番を、隣で一緒に確認しただけです。
でも、その人の手が動き始めました。
画面を見ながら、実際に入力を始めた。
分からないところを質問した。
1つ進むと、次の1つにも手を伸ばした。
その様子を見て、わたしは思いました。
自分が毎日やっている順番を見せるだけで、人の手を動かせることがあるんだ。
これは、かなり大きな発見でした。
わたしは、それまで、自分の強みを「AIについて詳しいこと」だと思おうとしていたのかもしれません。
でも、もっと正確に言うなら、AIを使って何かを作るときに、どこから始めればいいかを一緒に整理できること。
自分がやっている順番を、人が動ける形にして見せられること。
こちらのほうが、近いのかもしれません。
この出来事がきっかけになって、AIの家庭教師を始めようと思うようになりました。
最初から立派な構想があったわけではありません。
大きなサービスを作ろうと計画していたわけでもない。
ただ、隣に座ったら、人の手が動いた。
その事実が残った。
だったら、それをやってみよう。
そう思ったんです。
やりたいことは、頭の中で完璧な形になってから始めるものだと思っていました。
でも、実際には、誰かの反応を見たあとに、形が見えてくることもある。
自分の中で考え続けているだけでは、いつまでも仮説のままです。
人の前で試してみる。
その人がどう反応するかを見る。
反応があった場所を、もう1度考えてみる。
そうやって、やりたいことが少しずつ具体的になっていく。
ここで、前回の話と今回の話がつながりました。
AIは、その人がもともと持っているものを拡張する。
だから、AIで何かをしたいなら、まず自分の中にあるものを見つける必要がある。
でも、強みや経験は、自分だけで探しても見つかりにくい。
なぜなら、自分にとって当たり前すぎるからです。
毎朝、決まった手順で仕事をしている。
人より早く、資料のどこを見るか判断できる。
初めての人が迷う場所を、先に見つけられる。
複雑な話を、順番に並べ替えられる。
相手の話を聞いて、何が問題なのかを整理できる。
こういうことを、本人は「普通にやっているだけ」と思っています。
でも、その普通は、誰にとっても普通とは限りません。
他の人が何時間も悩んでいることを、あなたは数分で終わらせているかもしれない。
他の人が途中で諦めていることを、あなたは毎日続けているかもしれない。
他の人には複雑に見えるものが、あなたには順番として見えているかもしれない。
それなのに、自分では、それを価値として数えていない。
「こんなこと、誰でもできる」
「別に大したことではない」
「わざわざ人に話すほどではない」
そうやって、最初から候補から外してしまう。
これは、非常にもったいないことです。
強みは、派手である必要がありません。
人前で目立つ能力でなくてもいい。
資格や肩書きがなくてもいい。
毎日、無意識に繰り返している小さな工夫。
自分では説明しなくてもできる手順。
誰かが困っているとき、自然にやっている声かけ。
そういうところに、強みの種があります。
ただし、種は、土の中に置いたままでは見えません。
外に出す必要があります。
人に話す。
作業を見せる。
一緒にやってみる。
そのとき、相手が「それはどういう意味ですか?」と聞く。
「なぜ、その順番なんですか?」と尋ねる。
「自分も同じようにやってみたい」と言う。
その反応が、自分の中にあるものを知らせてくれます。
もちろん、相手の反応がなかったからといって、価値がないと決まるわけではありません。
1人に伝わらなかっただけかもしれない。
見せ方が合っていなかったのかもしれない。
相手の課題と、たまたま重ならなかったのかもしれない。
だから、1回で結論を出す必要はありません。
大切なのは、自分の中だけで「これは価値がない」と決めないことです。
外へ出してみるまでは、本当の反応は分かりません。
わたしはこれまで、「自分のやりたいことを見つけなければ」と考えすぎていました。
立派な答えを出そうとしていた。
将来につながるものを選ぼうとしていた。
失敗しないテーマを決めようとしていた。
だから、なかなか動けなかったんです。
やりたいことを見つける前に、正解を選ぼうとしていた。
でも、今回の出来事から、少し考え方が変わりました。
やりたいことは、最初から見つかっている必要はない。
誰かに話して、相手の反応を見て、そこから育ててもいい。
「これが自分の強みです」と断言できなくてもいい。
「最近、こういうことをやっています」と話してみる。
そのくらいで十分です。
相手に見せるものも、完成品でなくて構いません。
毎日使っているメモ。
仕事の進め方。
作業の順番。
困ったときに確認する場所。
自分なりの小さな工夫。
むしろ、完成されていないもののほうが、相手は質問しやすいこともあります。
わたしも、自分のやり方を人に説明するとき、「こんな話をしても意味があるのかな」と思うことがあります。
仕組みの話をしても、細かすぎるかもしれない。
自分の作業手順を見せても、普通すぎるかもしれない。
そう考えて、話すのをやめたくなる。
でも、そこで黙ってしまうと、相手の反応を受け取ることもできません。
自分の強みを見つけたいなら、少し恥ずかしくても、棚から出して人の前に置く必要があります。
「これを毎日やっています」
「自分は、こういう順番で進めています」
「ここで迷う人が多いので、こう整理しています」
うまく説明できなくてもいい。
途中で言葉に詰まってもいい。
話しているうちに、自分でも気づくことがあります。
「自分は、ここを大事にしていたんだ」
「この部分は、他の人と見方が違うんだ」
「ここなら、誰かの役に立てるかもしれない」
人に説明することは、相手のためだけではありません。
自分の中にあるものを、自分で見つけるためでもあります。
ここまで読んで、「自分には強みがない」と思っている人に、今日やってみてほしいことがあります。
それではここで、今日のタスクです。
あなたが毎日やっている作業を、1つだけ選んでください。
仕事でも構いません。
家事でも構いません。
趣味や、発信活動でも構いません。
できれば、あなたにとっては当たり前すぎるものを選んでください。
そして、それを誰か1人に説明してみてください。
「自分は毎日、こういう順番でやっています」
「この作業では、最初にここを確認します」
「ここで迷う人が多いので、こうしています」
この程度で大丈夫です。
うまく教えようとしなくていい。
相手を納得させようとしなくていい。
ただ、自分がやっていることを、そのまま見せてみる。
そして、相手の反応を観察してください。
相手が質問したところ。
少し驚いたところ。
「それ、どうやってるんですか?」と聞き返したところ。
「自分もやってみたい」と言ったところ。
そこに、あなたの輪郭があります。
できれば、相手の言葉を、そのままメモしておいてください。
「なぜ、その順番なんですか?」
「それは、どこで覚えたんですか?」
「自分の場合は、どうすればいいですか?」
こうした質問は、あなたが思っている以上に、価値のありかを教えてくれます。
すぐに商品にしなくて構いません。
すぐに仕事にしなくて構いません。
まずは、自分の当たり前を、外に出してみる。
その反応を受け取る。
1人に話したら、別の人にも話してみる。
何度か繰り返すと、少しずつ共通する反応が見えてきます。
その共通点が、あなたの強みの中心かもしれません。
わたしも、まだ答えが全部見つかったわけではありません。
AIで何をしたいのか。
どんな形で人の役に立ちたいのか。
これから、試しながら考えていきます。
でも、以前のように、何も持っていないとは思わなくなりました。
当たり前すぎて見えていなかっただけで、すでに毎日使っているものがあった。
人の前に置いてみたら、聞き返してくれる人がいた。
隣に座って見せたら、手を動かしてくれる人がいた。
その事実が、次の行動の手がかりになっています。
あなたにも、きっとあります。
まだ名前がついていないだけです。
それでは、次回のおおかみ通信もお楽しみに!
図解師★ウルフ
■放置されているBrainを自動で音声化するスキルを開発!事前登録者は半額の500円で提供
👉️ https://brain-20260905.diagram-wolf.com/
■あなたの知識を展開するコミュニティ…『展知』への参加はこちら
👉️ https://note.com/diagram_wolf/n/nc290a0b34a23?sub_rt=share_sb

Comments
Nothing yet. Say the first thing.
Sign in to join the conversation.