
今日は、少し、かっこ悪い話をさせてください。
私はいま、9月5日に教材を発売すると、公言しています。
事前登録も、すでに受け付けています。
登録してくださった方へ届くステップメールも、用意しました。
こう聞くと、準備万端に見えるかもしれません。
でも、肝心の教材の中身は、まだ全くできていません。
本当に、できていません。
ここを正直に言うのは、少し恥ずかしいです。
「発売日を決めるくらいだから、もうほとんど完成しているんですよね」と思われるかもしれない。
しかし、実際は、まだ作っている途中です。
それでも私は、先に発売日を決めました。
先に売る日を決めて、先に告知をして、先に登録を受け付ける。
以前の私なら、絶対にやらなかった順番です。
今日は、そんな話をさせてください。
これまでの私は、ある程度完成してから、販売日を決めようとしていました。
教材の内容を作る。
説明文を整える。
図解を入れる。
実際に使ってみる。
誤字を直す。
もう一度、全体を確認する。
そして、「これなら出しても大丈夫かな」と思えたところで、発売日を決める。
一見すると、まじめな進め方です。
買ってくださる方のことを考えれば、当然のようにも思えます。
中途半端なものを出したくない。
分かりにくいものを届けたくない。
せっかく買っていただくなら、できるだけ良いものにしたい。
その気持ちは、今もあります。
ただ、この順番には、かなり大きな問題がありました。
完成するまで、いつまでも発売日が来ないんです。
「もう少しだけ直したい」
「この説明には図解を足したい」
「ここは、もっと簡単な言葉にしたい」
「せっかくなら、別の機能も紹介したい」
そう思っているうちに、時間が過ぎていきます。
そして、別の興味が出てくる。
新しいAIの機能を試したくなる。
別の発信を始めたくなる。
新しい企画を思いつく。
気づいたら、教材の制作画面を閉じて、別のことを始めている。
教材そのものが嫌になったわけではありません。
むしろ、やりたい気持ちはある。
でも、「まだ完成していないから出せない」という状態が、ずっと続いてしまう。
ここを、私は何度も繰り返してきました。
アプリも、教材の下書きも、7割から8割くらいまでは作れます。
最初の勢いがあるので、そこまでは進む。
問題は、そこからです。
人に見せられる形に整える。
初めて触る人でも迷わないようにする。
手順を確認する。
例を入れる。
説明の順番を入れ替える。
この最後の仕上げに、ものすごく時間がかかります。
しかも、完成が近づくほど、気になる部分が増えていく。
最初は十分だと思っていた説明が、急に足りなく見える。
一度完成したはずのページを、また作り直したくなる。
「あと少し良くできる」と思えるからこそ、終わらせられない。
これは、品質へのこだわりでもあります。
同時に、失敗したくない気持ちでもあります。
完成品を出して、反応がなかったらどうしよう。
分かりにくいと言われたらどうしよう。
期待外れだと思われたらどうしよう。
そう考えると、完成していないことが、ある意味で安全になります。
まだ出していないから、評価もされない。
まだ売っていないから、売れないこともない。
でも、それでは、いつまでたっても誰かの役に立てません。
そこで今回は、順番を変えました。
教材を完成させてから発売日を決めるのではなく、先に発売日を決めました。
9月5日に出す。
この日付を、先に自分の外へ出しました。
事前登録のページを作り、登録を受け付け、メールでも告知する。
中身が全くできていない状態で、先に人へ伝えました。
正直、かなり怖いです。
「まだできていないのに、何を言っているんだ」と思われるかもしれません。
自分でも、そう思いました。
でも、日付を決めた瞬間に、少し不思議な変化が起きました。
やることが、勝手に絞られたんです。
9月5日に間に合わないことは、今はやらない。
発売後に追加できることは、いったん後回しにする。
見た目を完璧にすることより、まず使える状態にする。
説明を100ページに増やすことより、最初の1歩を迷わず進めるようにする。
そう考えられるようになりました。
日付がないと、全部が大事に見えます。
説明の見た目も大事。
図解の枚数も大事。
特典も大事。
販売ページの文章も大事。
細かい表現も大事。
もちろん、どれも無意味ではありません。
ただ、全部を同じタイミングで完璧にしようとすると、いつまでも終わりません。
日付があると、間に合うものと、間に合わないものに分かれてくれます。
発売日に必要なもの。
発売後でもいいもの。
今やらなくていいもの。
この3つに分けるだけで、頭の中が少し静かになります。
例えば、販売ページの見た目を、もっときれいにしたいと思っていました。
画像を追加して、色を整えて、文章も何度も書き換えたい。
でも、購入した方が教材を使えることのほうが先です。
使い方が分かる。
必要なファイルが届く。
最初の設定ができる。
困ったときに確認できる。
まずは、ここを優先する。
見た目の改善は、あとからでもできます。
けれど、発売日が決まっていなかったら、見た目の改善を延々と続けていたと思います。
さらに、日付を決めたことで、周りを巻き込めるようになりました。
事前告知ができる。
登録ページを用意できる。
「そのうち出します」ではなく、「9月5日に出します」と言える。
誰かが予定に入れられる情報になります。
登録してくださる方がいれば、その方を待たせることにもなります。
これはプレッシャーです。
でも、同時に、1人で作業している感覚から抜け出せます。
自分だけの思いつきではなく、誰かに届けるものになる。
この違いは、大きいです。
締切を決めると、もちろん大変です。
やることが多く見えて、頭がパニックになる日もあります。
最近も、作業を進めている途中で、何から手をつければいいのか分からなくなりました。
教材を作らないといけない。
告知も必要。
登録者へ送るメールも必要。
動作確認も必要。
質問が来たときの準備も必要。
考え始めると、やることが次々に出てきます。
その結果、画面を開いたまま、何も進まなくなる。
「今日はもうやめます」と、配信の途中で言った日もありました。
締切を決めたら、毎日が順調になる。
そんなことはありません。
むしろ、時間に追われる感覚が強くなる日もあります。
もっと早く始めておけばよかった。
なぜ、こんなに余裕を持たずに日付を決めたのか。
もう少し先にすればよかった。
そう思うこともあります。
それでも、私は日付を決めたことを後悔していません。
なぜなら、日付を決めていなかったら、たぶん今も始まっていないからです。
まだ構想中だったと思います。
もう少し調べてから。
もう少し良い方法を考えてから。
もう少し時間ができてから。
そうやって、先送りしていたはずです。
混乱しているということは、少なくとも動いているということでもあります。
止まっているときは、混乱すらしません。
机の上に資料が増えることもない。
途中まで作ったページを見て、悩むこともない。
誰かに告知して、少し不安になることもない。
何も始めていないからです。
だから、私は今回の混乱を、完全に悪いものだとは思っていません。
もちろん、無理をして体調を崩すのは違います。
約束を守れないほど、無謀な日付を決めるのも違います。
ただ、ある程度の不安や焦りは、動き始めた証拠でもある。
そう考えると、少しだけ受け止めやすくなります。
先に日付を決めるのは、自分を苦しめるためではありません。
やらないことを決めるためです。
ここを、今回かなり実感しました。
期限がなければ、すべての改善案を採用したくなる。
期限があれば、今は採用しない改善案を選べる。
何かを完成させるには、やることを増やす力だけでなく、やらないことを決める力が必要です。
私は、そこが弱かった。
新しいアイデアを思いつくと、すぐに足したくなる。
便利そうな機能を見ると、教材に入れたくなる。
でも、追加することは、分かりやすくなることと同じではありません。
情報を増やしすぎると、初めての人は、かえって迷います。
今回の教材では、最初に必要なところへ絞る。
足りない部分は、あとから追加する。
そのくらいの割り切りで進めようと思っています。
ここまで読んでくださった方の中にも、似たものを持っている人がいるかもしれません。
ほとんどできている文章。
途中まで作った動画。
公開していないサービス。
準備だけ進んでいる講座。
いつか始めたいと思っている発信。
完成していないから、まだ人に見せていないもの。
それは、ありませんか。
もちろん、何でも急いで出せばいいわけではありません。
安全確認が必要なものもあります。
お金や個人情報を扱うものなら、最低限の確認は必要です。
誰かに迷惑をかける可能性があるなら、慎重に進めるべきです。
未完成でも出せばいい、という単純な話ではありません。
ただ、完成の基準が曖昧なまま、ずっと保留になっているものについては、日付を決める効果があります。
「いつか」から「この日」へ変える。
それだけで、考えることが具体的になります。
半年先では、遠すぎるかもしれません。
半年後の自分は、今の熱量を忘れている可能性があります。
新しい興味が出て、別の方向へ進んでいるかもしれない。
私は、1か月先くらいが、逃げられない距離としてちょうどいいと思っています。
もちろん、内容によって違います。
でも、あまり遠い日付にすると、また先送りできます。
「まだ時間がある」と思っているうちに、残り1週間になる。
そうなると、日付を決めた意味が薄くなります。
そして、その日までに全部が揃っていなくても、必ずしも失敗ではありません。
一番大事な部分が動いていれば、出せるものはあります。
発売日に、すべての追加機能が完成していなくてもいい。
最初に必要な使い方が伝わればいい。
使った人の声を聞きながら、改善していけばいい。
最初から完成版を出すのではなく、育てていく前提で出す。
そのほうが、今の時代には合っているのかもしれません。
特にAIのように、情報の変化が速い分野では、完成を待っている間に状況が変わります。
完璧な教材を作ろうとしているうちに、新しい機能が出てくる。
新しい機能を調べているうちに、また別の機能が出てくる。
これでは、永遠に発売できません。
だから、現時点で役に立つものを、現時点で届ける。
あとから更新できる形にしておく。
そのほうが、受け取る人にとっても、早く使い始められます。
今日は、あなたが「いつかやりたい」と思っていることを1つだけ選んでください。
大きな目標でなくて構いません。
記事を書く。
動画を1本出す。
小さなサービスを試す。
勉強会を開く。
誰かに相談する。
途中まで作ったものを、1人に見せる。
そして、日付だけ決めてください。
完成の見込みが立っていなくても大丈夫です。
まずは、1か月以内の日付を1つ選ぶ。
その日に何を出すのか、最低限の形だけ考える。
「全部完成させる」ではなく、「一番大事なところを動かす」と決める。
さらに、その日付を誰かに言ってください。
家族でも、友人でも、同僚でもいい。
SNSに書いてもいいし、このメールに返信しても構いません。
誰かに言った瞬間、それは自分の頭の中だけの予定ではなくなります。
逃げ道が少し減ります。
でも、その分、やることも見えます。
私も、9月5日という日付を決めた以上、そこへ向かって進みます。
教材の中身は、まだ全くできていません。
かっこよくはありません。
それでも、日付を決めたから、今日やることが見えています。
あなたも、完成してから始めるのではなく、始めるために日付を決めてみてください。
一緒に、少しずつ形にしていきましょう。
それでは、次回のおおかみ通信もお楽しみに!
図解師★ウルフ
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