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Aww Blog JP · Mar 4, 2025

ドバイ、World Governments Summit 2025で学んだ5つのこと

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2月11日〜13日2025年、ドバイにて開催された世界的カンファレンスの報告

2025年2月11日〜13日にドバイにて開催した「The World Governments Summit(WGS)」に招待された。第12回目の開催となるWGSは30人以上の国家元首および政府首脳、400人以上の閣僚、80以上の国際機関、140以上の政府代表団、6,000人以上の参加者がドバイに集結し、経済の安定、デジタル変革、官民連携による有意義な変化の実現方法に関するソリューションを特定、強化する世界的なカンファレンス。

過去にはビル・ゲイツ、イーロン・マスク、シェイク・モハメド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム(UAE副大統領・首相)、アントニオ・グテーレス(国連事務総長)などの世界的なリーダーが登壇している。

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そんなWGSに招待され、スピーカーとして参加してきました!

私にとっては初の中東、初のドバイ。期待大で日本を旅立ち、見知らぬ土地に降り立ったAwwプロデューサー ジューストー沙羅のブログです。

*ドバイの砂漠と私。Photo: Peter Sayn

世界的リーダーがご飯を囲うことによって、未来は変わる

サミットの数日前にドバイに到着した。早めに着いた理由は、サミットの前に開催される「NOT A SUMMIT」というまた別のカンファレンスのようなものに参加するため。6000人が集まるWGSとは対照的に、約60名ほどの小さい規模で開催されたこのカンファレンスはドバイ皇太子のおもてなしの上、王家でディナーをしたり、砂漠でミニカンファレンスをしたり、世界で4番目に大きいプライベートヨットでモクテルを飲んだり、と豪華なプログラムとなった。

少人数で行われた複数回に渡るプログラムでは、マレーシアの王子やプロシェ一族の息子、HPやRobloxなどの代表取締役からNOTHINGのようなスタートアップの代表、名大学の経済学やAIの教授まで、さまざまな王御所メンバーがゾロゾロと。

正直、メンバーが豪華すぎてびっくりした。

世界中から豪華なメンバーが集まり、同じ部屋でご飯を食べて語り、人と人として交流する。何よりも、そういう場を綺麗にキュレーションして、ちゃんと話す場所を提供して、本気で「ドバイで新しいものを生み出そう」としている姿勢にリスペクトを感じた。

*WGSにて、イーロンマスクとアラブ首長国連邦(UAE)人工知能・デジタル経済のオマール・スルタン・アルオラマが登壇。

ツーリズムにも、イノベーションが必要

WGSでは複数の登壇やラウンドテーブルがある中、主に「Future of Tourism Roundtable」パネルにスピーカーとして参加した。パネルの部屋に入ると、スライドを見せながらの登壇だったり、数人で対談をする形式とは全く違い、40名ほどの参加者がラウンドテーブルを囲い、自由に議論するフォーマットだった。これは私としては初。40人ほどいるスピーカーの中で手を上げて喋らなくてはいけない、国会を思い出すようなシステムに緊張した。

テーマはツーリズム。参加者には、Four SeasonsのRainer Stampfer氏やMarriott InternationalのSatya Anand氏といった大手ホテルグループの代表をはじめ、FlydubaiのGhaith Al Ghaith氏やAirbusのStan Shparberg氏など航空業界のリーダーたちが名を連ねた。さらに、ブータンのDasho Tshering Tobgay首相やドミニカ国のRoosevelt Skerrit首相、ソロモン諸島のJeremiah Manele首相など、各国の政府要人も参加した。

上記のメンバーと共に、ツーリズムの未来について議論をした。観光業というのは各国がとても気にかけている印象を持ち、日本には観光者が殺到しているとプレゼンするとみんながうなづいていた。日本は観光に恵まれているが少子化という世界的にも独特な例でもあるため、観光業へのデジタル化や、さらに言えばAwwが提供している「対話型バーチャルヒューマン」のユースケースに早くもなりうるという話をした。観光をどうやってパーソナライズしていくか、人材を同育成するか、などのトピックスも非常に多く上がったが、その分野についてもバーチャルヒューマンのようなサービスが将来的には一般化される気がした。

*登壇した「Future of Tourism Roundtable」。一人だけピンク髪、の私。

アブダビにルーブルがある?!

海外へ招待される時はできるだけ現地の美術館や博物館を見ることにしている。その土地を理解するためにはカルチャーを自分の目で見ておきたいから。

今回はドバイから1時間ほどのドライブにあるアブダビに行き、ルーブルに行った。そう、パリにあり有名な美術館、ルーブル、がアブダビにもあるのだ。(ルーブル・アブダビは、パリのルーブル美術館とアブダビ政府の間で結ばれた文化的なパートナーシップに基づいて「ルーブル」と名付けられている。)

アブダビの街中がさらに不思議だったのが、ルーブルの横に、大英博物館があり、さらにその横には建設中のチームラボがあると言うこと。まだ工事現場のような風景だたが、このように世界中からパートナーシップを得てアブダビにその施設をもう一個作っちゃおうという考えがすごい。ぶっ飛んでる。でもそのぶっ飛んでる感は、気持ち良くもあった。

さらに、このルーブルはAIにキュレーションを手伝ってもらっているらしい。キュレーターが展示会を実際に作る前にモデル化するのを助け、AIを利用してアプリを通じて個別化されたツアーを提供しているとのこと。

次は何が建てられるのだろうか・・・

*アブダビにある「ルーブル」。そう、あのルーブル。

この街はまるでSF映画

WGS2025で発表されたプロジェクトの中で特に注目を集めたのが、イーロン・マスクとオマル・スルタン・アル・オラマの登壇により発表された「ドバイ・ループ」。このプロジェクトは、ラスベガス・ループに似た電動車両による輸送システムだが、ベガスのものとは比較にならないほど大規模で高速。時速160kmで、ゼロエミッションの電気自動車が乗客を輸送する。さらに、AIによる交通最適化と最新技術を駆使したトンネル技術が組み合わさっている。

このプレゼンを観客で聞きながら、UAEはまるでSF映画の中から飛び出したかのような未来都市を本気で実現しようとしていると鳥肌がたった。

サウジアラビアに建設中のTHE LINEやKiddiyaもそうだが、中東、特にサウジアラビアやUAEは、石油輸出から得た莫大な富を活用し、技術や持続可能な産業への投資を進めることで、全く新しい未来志向の都市を建設している。さらに、政府主導の巨大プロジェクトは、土地や資源を中央集権的に管理しているため、 Western諸国でよく見られる官僚的な遅延なしに迅速に進行できている。これもめちゃくちゃ重要な点だと今回感じた。

車の窓から通り過ぎていく大量の大型ビルを眺めていると、まるでSF映画に入ったかのような気持ちになった。

*ドバイはまるでSF映画

世界を変える、ストーリーテリング

最後に、一番感動したことを書こうと思う。

それは私が参加した「Future of Tourism Roundtable」にてブータンのDasho Tshering Tobgay首相がマイクを渡されて空の10分の間。私はそれまでブータンのことや、この首相さんのことを何も知らなかった。みんなは知ってます?

彼がマイクを渡されてまず言ったのは「私はブータンのことをたくさん一方的に語ることはできるが、みんなが聞きたいことに答えるようにしゃべりたい。何か質問はありますか?」

「いつの時期にブータンに行くのがベストですか?」とスピーカーの一人から質問があった。

簡単に彼の答えをまとめると「一年中、ブータンは素敵な場所です」というごく普通の答えだったのだが、彼が回答した後、部屋中の大人たちから握手が湧いた。部屋にいる40人ほどのスーツ姿の大人たちがみんな、彼に話に引き込まれいくのがわかった。

彼がやったことは、とてもシンプルかもしれない。

彼は物語を語ってくれた。

詩を読むように、首相はブータンの風景や人々、気候や地域、を彼が見たようなまま、私たちに伝えてくれた。難しい言葉や自慢話を並べるのではなく、ブータンの山々に咲くお花畑の色彩、そこで感じる風に気持ちよさ、を話してくれた。幼い時に絵本を読んでもらい、まるで別世界が目の前に広がっているかのようになった気持ちを思い出した。この感覚は部屋にいた大人たち、全員同じだったと思う。空気が一瞬で変わり、全員がまるでブータンに行ってきた気分になったと思う。

彼が語りおわった瞬間、今まで硬い顔だった大人たちは笑顔に変わり、拍手が大きい部屋を覆った。

私はその瞬間、鳥肌が立つほど感動した。なぜなら、この場でブータンの首相の仕事はたった一つだったから。それは、難しいことを言い合って、理解していないけど理解している顔をすることでもなく、偉く威張ることでもなく、情報を提示して議論することでもなかった。

彼の仕事は唯一、「ブータンを好きになってもらう」こと。

ブータンのことを日々考えたことがない大人40人を10分で「ブータンに行きたい」と心から思わせること。大手ホテルグループの代表、航空業界のリーダーたち、他国の首相たち、政府要人を全員「ブータンに行きたい」と思わせること。

それ以上の仕事は、ない。どれほど正論を言われても、行きたい、と思わなければそれは観光業として成り立たない。

私は彼のおかげで、日本に帰った今も、まだブータンのことを考え続けている。ブータンはどんな国なんだろう?どんな人がいるんだろう?ここまでブータンのことを一回も考えたことがない私を変えられるのは、ストーリーテリングしかないと思う。

何かを大きく変えることができる人は絶対に、心を動かせる人。

逆に、心が動かないと、人は変わらない。

日常的に、SNSやニュース、カンファレンスではたくさんの情報を受け取る。しかし社会が変わらない理由は「感動」してないから。人間は情報や数字で動くように進化していない。誰かの話を聞いて、誰かの体験を知って、何かの映画を見て、信じられないほど美しい景色を目にして、心が動き、変わっていく。

世界のリーダーになる人たちは大勢の心を動かせる人。それは私たちが人間である間、ずっと変わらない。それを思い出させてくれた。

ブータンに行きたい、と思ったドバイサミットでした。

*スピーチをしているブータンのDasho Tshering Tobgay首相

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