――「龍が如く0」のコンパニオンアプリということで、本編の時代設定を活かしたタイトルということで収録されたと思うのですが、あの年代のロボットシューティングタイトルとして捉えても、まさに狙ったかのようなゲーム内容ですよね。それまでは地上、空中関係なく同じ攻撃手段というシューティングが主流で、さらに多関節ロボットゲームが出る前、という2つの流れの中間的立ち位置というか。丁度いい年代感ですよね。
堀井氏: そこまで考えて制作されていたのかはわかりませんが、結果としてはそうなりましたよね。
――8ビット版も、その年代当時に作られていたのかを考えると、方向キー+攻撃キーであれだけ多彩な攻撃が出せる、というものを当時作ることができたのか? という話になると、ちょっとわかりませんが……。ただ、それが16ビット版を見ると、「ああ、この年代ならあったかもしれないな」と思える。斜め入力を家庭用ゲームハードで標準入力にしてしまうのはリスキーかなと思いましたが。
パワーアップ要素の少ない、方向+攻撃ボタン、さらに地上と空中での状態変化で攻撃種別が変わるというのは、いろんなゲームが過渡期であったあの時代にはぴったり来るというか。
松岡氏: 自機がロボットであることをうまいこと利用したゲームといえば、当時ではゲームアーツの「テグザー」なんかがありますが、でもまあ、全然違うゲームですよね。
――空中では下に攻撃できないし、地上ではノーマルショットでは真正面がガラ空きになったりと、使い分けを考えてプレイしてほしい、という考えも見えたり。とはいえ「縛り」的な強制されている感覚はないし、パワーアップも1段階ですから、リスタートしても復活は楽ですし。弾を避けて攻撃する、というあの時代のゲームっぽいな、という。

空中では水平方向にしか攻撃できない。

地上のノーマルショットは対空用で斜め上に飛ぶ。
その時代の後にリリースされているロボットゲームになると、ショットが多方向に撃てて、地上にいようが空中にいようが好きな方向に攻撃できるあたり、ゲーム性が変わっていきますよね。
堀井氏: そうですね。
――演出面なども、セリフやステージ名などの紹介は最低限でテンポがよくて、爆発シーンなどはド派手にしつつ、かつクイックで。その後のロボットゲームではもっとアニメよりというか、ドラマの演出に力が入っていった印象なので、 まさに過渡期的なものを感じさせますよね。
松岡氏: あの人、文章もうまいんですよね。ほっといたら松本零士の「戦場まんがシリーズ」みたいな男臭いポエムをいくらでも量産してくる。どのポエムもむちゃくちゃおもしろいので、いずれ表に出してほしいところです。
堀井氏: ローカライズするときに引っかかるだけだよね。
松岡氏: 特に思うのは、「アーケードゲーム臭い」んですよね。コンシューマーっぽくない。
――ロボットゲームなんですが、テンポはアーケードのシューティングゲームのそれなんですよ。敵の種類も絞られていて、組み合わせや出現タイミングなどでテンポや難易度の調整されているのかな、という気がしました。遊びの種類も組み合わせのバリエーションでメリハリを作られている。
松岡氏: ステージを増やす=「リソースを増やさなきゃ」みたいな脅迫観念が感じられないですよね。
堀井氏: 昔なら、見た目はパレットを変えるだけで、動きを変えて別のキャラクターに仕立てたりといったこともありましたしね。そこまで極端ではないですが、組み合わせを変えるだけで別のものを作るという考えはあるかもしれませんね。ラスボスとか。
松岡氏: 手間の割には効果の高い方法ですね。
――見せ方もメリハリというか、独特のインパクトを感じますね。ロボットのミスとか。やられたら、爆発が重なって……といったものが多い気がしますが、「ベルーガ」では光が一閃して「ドカーン」と。最初は「なにこれ?」ってなると思うんですよ。

特徴的な自機の爆発シーン。

キラっとラインが入って動きが停止し、その後派手な爆発となる。
松岡氏: ここぞ、というところを見つけてしっかり作ってあるんですよね。演出にすごく力が入っているところ=何度も見るところ、なんですよね。
堀井氏: ああー。
松岡氏: そこは飽きがこないようにしっかり作ると。
――自機のミスも、ボスの爆発も、それまでの流れとはまったく違うというか、キャッチーですね。テンポとしては早いんだけれど、しっかり魅せるというか。
松岡氏: 関西人のしつこさかもしれません。コテコテの関西人なので。
――なるほど! 爆発演出を見ていて思い出したのは、「ダライアスII」の核爆発と、「ダライアス外伝」のブラックホールボンバーやボスキャラの爆発ですかね。
堀井氏: それはわかりますね。
――「どこかで見たな」と思いつつも。
松岡氏: ボスの爆発は「タイムボカン」シリーズなんですよね。
堀井氏: そうだねー。
――フラッシュが入ってキノコ雲という、あの感覚ですね(笑)。
堀井氏: 16ビット版を見てもらえれば、「あれがこうなったかー」って笑ってもらえるでしょうし、そうでなくても「あそこまでやらなくてもいいじゃん(笑)」って。
松岡氏: 8ビット版でも「ここまでやるか!」って笑いましたしね。16ビット版でも爆発がくどいんですよ(笑)。「ベルーガ」の演出をくどくするためだけに、世のコンピューターはもっと進化するべきなんですよ(笑)。32ビット、64ビット、128ビット版と……進めば進むほど(一同笑)。
――それと、難易度の付け方というかなんというか。個人的に思い出したのは、「ザナック」かなあ……。ノーミスで進んでいくと難易度が上がっていって、ミスしたりステージクリアで難易度が下がるというシステムも入ってますよね。
堀井氏: どんどん難易度が上がっていきますね。「ゼビウス」とかもそうですが。
松岡氏: やっぱり影響を受けているのはナムコのタイトルなのかな、と思いますね。
堀井氏: エクステンドのスコアあたりもそうですね。
――先に進むとスタートステージが選べるようになりますが、コンティニューが付いていないあたりもなんだか懐かしい感じでした。

コンティニューがない代わり、再スタート時にリカバーアイテムが出たり、シールド(右)が出る。
松岡氏: 「コンティニューはなしにしたい」とは言っていました。その代わり、再スタート時にリカバーアイテムが出たり、シールドが出たりします。「あまりにもクリアできない人ができない可能性が出てきてしまう」と話をしたら、入れてもらえました。元々そういう話があったのかもしれませんが。
堀井氏: 「スペースハリアー」のX68000版とかを思い出す調整ですよね。
――ああいう作りを見ていると、松島さんとしては、昔からのポリシーなのかもしれませんが、当時のゲームっぽいですよね。たとえコンティニューが付いても3回まで、とかになりそうな。
普通にプレイしていると、人によってはスルーして気が付かずに終わっちゃう、という要素がいろいろあって。ともすれば「あたりまえ」、人にとっては「なにこれ?」というところがいろいろと。
それを振り返ってみると、「あの当時ならこうだよね」とか、そういうことを思い出させてくれるタイトルになっている気がするんですよ。
松岡氏: ロストテクノロジーが割と入っているという。
堀井氏: 今となっては誰もやらないことをやられているという。
――それがタイトルが発表されて、みなさんが「『ベルーガ』がすごい」という話をされていた部分なのかなと思うんですよね。
堀井氏: おじさんの心を「キャッチ・ザ・ハート」ですよね(一同笑)。
松岡氏: このゲーム、このインタビューで話題になっているような「入っているこの要素、俺はわかる!」と人に話したくなるんですよ。「俺は忘れてないぞ」とアピールしたくなるというか。「あるあるネタ」になっているんですよね。
――細かいところにいろいろ目が行ってしまうというか、気になるんですよね。そこが不思議な感覚です。当時の感覚をPS Vitaという新しいハードの上で構築されているというのが。
松岡氏: 例えば、シューティングゲームって、どんどん敵が多くなって、どんどん弾が多くなって……と進んでいきましたよね。このゲームはそうなっていない。ゲームを難しくするための進化としては、初代「グラディウス」のあたりの感覚で止めているんですよね。
堀井氏: 自機の移動速度は遅いしね。
松岡氏: それを遅く感じさせないのは、ゲームスタート時はそれよりもさらに敵弾が遅いからなんですよね。「ベルーガ」は目の前で撃たれても、弾を見てから避けて間に合う。それぐらい敵弾が遅い。めちゃくちゃ敵弾が遅いゲームというのはテレビゲームの黎明期には多数あったんです。「ゼビウス」あたりが割と近い感覚ですよね。
――それで自機の遅さも理解するし。「ベルーガ」の16ビット版の感覚でいうと、「ドラゴンスピリット」の旧バージョンぐらいの感覚なんですかね。ギリギリ避けられる、撃ってきた弾を見て避けることができるという感じ。
松岡氏: また「ベルーガ」は難易度上昇のカーブが絶妙だから、反射神経が鈍い人でもじわじわとついていくことができます。ミスした時に「なんで死んだか」がよくわかるゲームになっています。それと同時に、うまい人はノーミスクリアを目指して遊べるようにできている。
――バックできたりすることで、スクロールを調節することもできたりするあたりも……。前進は早くて、後退が遅いとか。こういったタイプのゲームもなくなっていきましたよね。
松岡氏: 「ベルーガ」の場合はスクロールを自分で制御できるんですよね。
――スクロール速度が固定の多方向へ移動できるなら「テグザー」なんだろうけど。
堀井氏: これはちょっと止まって、ちょっと進んで、ちょっと下がって……と。
――ああー。そういう感覚のタイトルって、気が付いたら少なくなりましたね。
松岡氏: 強制スクロールなのにプレイヤーが制御できるのは新鮮なんですが、でもなつかしさもかなり強いんですよね。
――こんな話をつい、してしまうのが「ベルーガ」なんですね。プレイしたときに、ちょっとした挙動やプレイ感覚から、ともすればスルーしてしまいそうなところに私みたいなおっさんが反応してしまう……。
松岡氏: それはもう、どんどん反応してしまいます(笑)。
――ただ、プレイ感覚は古臭くはないんですよね。
堀井氏: 今十分に遊べるもので、新作であるという。遊び飽きていないのに、古い作りだったりする。
――初見殺しの仕掛けはほぼないし、説明も最低限されていますし。アドリブで何とかなるときもあるし。……うーん。
松岡氏: あー思い出した!X68000の「A-JAX」も、ちょっとだけバックできましたね(一同笑)。
――あー! オリジナルの縦画面と同じ分描画されているのに、画面比率が違うから隠れている部分に行こうとするとあの「ガクッ」としたスクロールがあるという。……なるほど。あの感覚は近いかもしれませんね。
堀井氏: 違う(笑)!
松岡氏: ちゃんとした「これ!」ってタイトルを思い出そうとすると、あの「A-JAX」が邪魔をする(一同笑)。
――ガンシューティング、「戦場の絆」など新しいハードにもきちんと対応していきながら、こういったタイトルを作ることができるのが、松島さんのすごいところなのかもしれないですね。
堀井氏: ゲームというものに対して、言い方はこれで正しいのかわからないですが、かなり狭く、今のレベルでは許されないレベルで細かく定義していますよね。趣味系の高いものではそれが爆発するのではないかと。「ベルーガ」にはそれが顕著に見られます。
――もうひとつ興味深かったのは、敵キャラと接触してもミスにならない、という点ですね。「レイノス」もそうでしたが、その前の時代設定ということになると、かなり異質なイメージです。空中物、地上物関わりなく、接触しても大丈夫という。当時からすれば接触=ミスだったと思ったので。そのおかげで、単純に敵キャラ=邪魔という存在にはなっていない。
堀井氏: 邪魔にはなっていないですね。

地上建造物は空中状態でのショットでは破壊できず(アームパンチのみ可能)、遮蔽物となる。
――その代わりに、地上物はアームパンチやボム、ナパームでしか破壊できずに居所が制限されたり、こちらの攻撃が遮断されたりする。そこも単なるシューティングの地形でのプレーヤーへのプレッシャーのかけ方とも違う作りになっていて。うまく作られているなと。
松岡氏: 察しがよければ初見でも切り抜けられる作りですよね。
――単なる地形ゲー、覚えゲーにはなっていないんです。理不尽にやられることはほとんどなかったと思います。自分の腕を呪うことはあっても……。
堀井氏: 「できるはずなんだけどなー」って思いながら死ぬんです(笑)。
――逆に、東亜プランのゲームのように、敵に接近したら弾を撃たない、というのとも違いますし。
堀井氏: 敵がいつ弾を吐いてくるかわからないから、接触してもミスにならないといいつつ、敵に近づくのはリスキーなんですよね。

敵拠点入口の防御バリアは、アームパンチでわずかな時間開くことができる。また、防御システムの心臓部もアームパンチでのみ、とどめが刺せる。
――アームパンチも、攻撃以外にも敵弾を消せるという能力があったり、リーチが決まっていてボタン押し→離しという操作系もあって連射がしづらい、使うと戻ってくるまでがスキになっているとか、自機の高度に合わせて動くとか、いろいろ考えられた使い勝手になってますよね。
斜めに連続で吐く「歩行体(対空型)」とかには、弾を相殺してしまうだけで本体に当たりづらかったり、しゃがんでアームパンチの高さにならない「歩行体」がいたり。そういうところのいやらしさが計算されていて。地形の高さも……。
堀井氏: きっちりやってますよね。
――そこにこちらは「ムカッ」としながら考えをめぐらせてプレイしているんです。「いいなあ」って思いながら。制作側の「こういうシチュエーションだけど、あなたはどうする?」という石の投げ方というか。
堀井氏: 石の投げ方(笑)。まさに。
松岡氏: プレイしていると、そういうことに気づくタイミングがあるんですよね。
――地上にいると正面への攻撃が薄くなるから、空中に行ってショットを連射したいんだけれども、場面によっては狭くなってすぐ着地しちゃう。だったらちゃんと地に足をつけて腰を据えて攻撃の準備をしなくちゃ……って思ったら、今度は上から攻撃が来て……なんて振り回し方とか、わくわくします。同時にムカムカしてるんですが(笑)。
松岡氏: そうしてイライラしてたりするときが楽しいんですよね。
――自機と敵セットや地形をうまく使って、プレイヤーに上手に負荷をかけているんですよね。
堀井氏&松岡氏: そうですねー。
――16ビット版は、8ビット版の「PC-6001でこんなロボットシューティングが作られたんだ、遊べるんだ」という衝撃とはまたちょっと違った驚きが感じられますね。
堀井氏: 8ビット版は、当時ゲームを作っていた内藤(時浩:エムツー所属のクリエイター。かつてT&Eソフトで「ハイドライド」などを制作)さんですら、当時作られていたものだと最初は勘違いするほどでしたからねー。あってもおかしくないという。
松岡氏: でも、当時はゲームとしての体裁としてまとめることがまず最優先だった時代ですよね。
堀井氏: よくスクロールしてますよ、って言っちゃう。
松岡氏: だから「ベルーガ」の8ビット版は「どう遊ばせるか」というところまでちゃんと作られていて、「当時っぽくない」っていう方の意見もわかりますね。
堀井氏: 動いているだけですごい、という時代ではありましたからね。松島さんの「タイニーゼビウス」や「スペースハリアー」が衝撃作だったこともうなずけるというか。
――8ビット版で、あんなにでかい爆発を出そうなんて当時思ってなかったかもしれません。サウンドも、8ビット版ってPC-6001で再現できるのかな? ってレベルですし。
堀井氏: そうですね。高速に音を切り替えて和音っぽくするといったテクニックとか……。
松岡氏: 爆発とか、スコアとか、難易度曲線とか、プレイヤーの行動に対する「返答」に力を入れていますよね。
堀井氏: 松島さんが言いたいのは、「ゲームを遊んでくれよ!」ということなんでしょうね。
松岡氏: その言葉は開発中に幾度となく聞きましたね。「コンティニュー入れてよ」って話をしたら、「それってゲームじゃなくなるよね」と。
堀井氏: (コンティニューをつけて)「一通りクリアしちゃったら、それで終わりになっちゃうでしょ」と。
――プレイする、どこかでミスしてひっかかる、またゲームを遊んで突破する、新たなひっかかりができる……という繰り返しでゲームを遊ぶことでプレイヤーさんの記憶にも残っていく。コンティニューを連続してできるようにしてしまうと、そういった巻き戻しの過程がなくなるから、印象も薄くなっちゃうという。
松岡氏: 「俺は死んでない、でも敵は殺した」ということの繰り返しがゲームですからね。
――そういうことを明言することも今や少なくなりましたよね。
松岡氏: 僕もそれを松島さんに言われて「あ、今こういうことを言う人がいるんだ」と思いました。
堀井氏: 「あ、今これを言っていいんだ」と思いましたね。
――おお……。そういえば、ベルーガが突っ込んでいって敵を倒す、というあの設定ってどこから来たんでしょうかね? バリアをプレーヤーに破壊させる、そしてボスキャラを倒してベルーガを特攻させるという流れは、いろんな意味での制約から生まれたのか、それとも別の理由があるのか……。

心臓部を破壊すると敵拠点の防御が解かれ、飛行爆弾と化したベルーガが拠点本体に体当たりしてステージクリア。
堀井氏: そうですね。あれは……。
――すごいインパクトですよね。それと、16ビット版でタイトルに追加された「SF」には、どんな意味があるんでしょうか?
松岡氏: 松島さん、本当に昔っからSFの世界観や映像が大好きな人なので。
――「サイエンス・フィクション」の額面どおりの意味なんですね。
松岡氏: 怪しいSFテレビドラマや映画が当時いっぱいありましたよね。ああいう風な世界観がすごく好きで。「ベルーガ」のテーマも「UFOの恐怖」ですからね。
堀井氏: 僕らが子供の頃の恐怖番組とか、そういった世界ですよね。「宇宙人は本当にいる」とか……。

なつかしいUFOが多数登場。
――ゲームにもああいったUFOって昔はいっぱい出てたんですけれどね。近年だとXbox 360の「エスカトス」とかで久々に見た気がします。
松岡氏: 「UFO」や「宇宙人」とかも、時代とともに消費されて一種のギャグにされ、消えていきましたが、それ以前の時代に引き戻している感じはします。未知の物体へのわくわく感のある時代にです。
――周りは一周してきたけれども、と。
松岡氏: 彼は消費し尽くしていないんだと思います。だから簡単に「お笑い」にはしない。当時を知ってると笑っちゃうんですけどね。笑わせようとしているのか、笑ったら怒るのかは分からないので本人には言いませんが、いまどき「UFOの恐怖」とか、真正面から言われたら、まあ笑ってしまいます。
――人がさらわれるシチュエーションとか作りたかったんですかね?

エフェクトが強化された友軍ヘリコプター救出シーン。
松岡氏: それがヘリコプターが掴まっているというシーンに反映されているのではないかと。
――なるほどなー。掴まりっぷりがハンパないですね(笑)。
松岡氏: 16ビット版では電磁波のようなもので掴まっているビジュアルになりました。8ビット版にはなかった。
――(笑)。いろいろ追加されていますよね。今回、すごいタッグで「ベルーガ」が出来上がってきたわけですが、開発を振り返ってみていかがですか?
堀井氏: 「ベルーガ」の16ビット版がこうして世に出ること自体がかなりびっくりなことなので。
松岡氏: そういった意味では、社長のラッセル車のように前に突き進んでいく性格には助けられましたからね。
堀井氏: 2015年の正月は本当につらかったからね……。「できるのかなー? できないかなー?」って。
松岡氏: 正月はつらかったですね。9割9分「できない」って思ってたので。「できなかったらどうしよう?」って考えてましたから。
堀井氏: セガの伊東さんもすごくサポートしてくださって、スタッフクレジットに松島さんの名前とご自分の名前が並んでいるのに感激してらっしゃいましたからね。
――本当にこだわってらっしゃったんですね! そうして生まれてきたのが「ベルーガ」の新16ビット版なんですね。まだまだ自分にはわからないすごさがいろんなところにちりばめられていそうですが。
松岡氏: たぶん、このゲームの本質は今後も松島さん以外には誰にも捉えられないままなのかもしれません。そういう意味では、松島さんという存在自体が、UFOのような存在なのかもしれませんね。我々はUFO特番に出てくるノースカロライナ州の農夫みたいなもので、「あっちの空をジグザグに飛んでいった!」って言ってるような(一同笑)。
堀井氏: そうかもしれない(笑)。目撃者なのかも。
――そんな松島さんという存在と交信できるのが松岡さんなのかもしれない……(この後しばらくUFO談義が続く)。
それにしても、いろんなことを思い出させてくれる不思議な1作、という感じです。

各所に仕掛けられているボーナスを探し出す楽しみも。
松岡氏: 提供する側としては、それと同時に何も考えずに遊んでほしいんです。「これはこうなんじゃないか、ああなんじゃないか」ということはいったん脇において、ゲームをクリアする、ノーコンティニューやノーミスクリアといったプレイを目指して欲しい。ボーナス得点もいろいろ仕込んでありますので、探して欲しいですし。ゲームを夢中になって遊んでいた時代に戻ることのできるゲームのはずなので。
堀井氏: ぜひ「プレイヤー」として遊んで欲しいですね。所有するという意味での「ユーザー」ではなく。そんなタイトルです。
――ありがとうございました。
(聞き手・構成 佐伯憲司)
